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大人のための残酷童話

倉橋由美子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101113166
ISBN 10 : 4101113165
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2011
Japan

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    全26話からなる掌編童話集。出典はペローやグリムの童話、日本の昔話から、果てはカフカの『変身』や中島敦の『名人伝』など実に様々。タイトルに「大人のための」とあるのは、お話に時として幾分かのセクシュアルな要素を含むため。また「残酷」と掲げるものの、けっして所謂ホラーではなく、人生に内包されるビターな真実がお伽噺のスタイルをとって語られるということ。ほとんどは旧知の物語だが、こんな風に語り直されることで、物語の内質にあって隠されていたものが立ち現れてくるという仕掛け。しかもそれは倉橋由美子ならではの世界だ。

  • 遥かなる想い

    「童話」というものは実は毒に満ちたものであるということを作品で示し、当時ちょっとした話題になった本。子供のための童話が夢を育むものであるならば、本書は逆に冷酷でなさけがない。諷刺が効いていたので、救われたのかもしれない。

  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

    倉橋由美子さん3冊目。読む度に印象が違っていて驚く。老人のための〜はいかにも筆者の創作感が出ていて面白かったが、こちらは有名な童話や説話のアレンジ。人魚姫や一寸法師、春琴抄やカフカまでを筆者特有のブラックユーモアたっぷりに描いている。美女しかいない島に遭難する話は前もどこかでアレンジされたものを読んだなぁ。結構好きな話です。 個人的に本書自体はあまりにも掌編なので、もう少し作数を絞って掘り下げて描かれているとより好みだったかな、という印象。次はどの作品を読もうかな( * ॑˘ ॑* )

  • 世界中の名作童話をベースに、人間の邪悪な心や淫猥な欲望を露骨に焙り出す26篇。因果応報や自業自得の原理が結局は残酷な結果として描かれ、「大人の」というだけあってかなり毒々しい。そしてまさにその物語の原作者(アンデルセンやグリム兄弟など)はこういう話を本来書きたかったのでは?というか、実際にこういうテーマを根底に潜ませてのかもしれないと思ってしまったほど、リアルに感じた。童話って字のごとく子どもに語り継いでいく話であるわけだけど、子どもには子どもの解釈で良しとし、大人には大人なりの解釈があって良いのだよね。

  • ムッネニーク

    74冊目『大人のための残酷童話』(倉橋由美子 著、1998年8月、新潮社) 「人魚姫」や「白雪姫」「浦島太郎」「竹取物語」といった有名な童話や昔話を、倉橋由美子流に味付け。 原作本来の毒気やエロティシズムを増幅し、それらを前面に押し出すことでブラックユーモアな世界観を作り出している。全26作品が収録されているが、1作品はだいたい10頁程度。明瞭な物語が大半で、文章も非常に読みやすい。文庫本でありながらカバー裏まで装丁が凝っており、なかなか洒落ている。 「でも肝腎のところが一寸法師のままですもの」

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