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平安貴族の心得 「御遺誡」でみる権力者たちの実像 朝日新書

倉本一宏

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022952721
ISBN 10 : 4022952725
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan

Content Description

天皇や大臣は何を遺そうとしたのか。皇統の確立と摂関家の成立にはどんな関係があるのか。御遺誡と呼ばれる史料がある。遺詔や遺言とは異なり、多くは子孫や門下などの後人に遺した訓戒である。そのほとんどはいつしか失われてしまい、あらたな嫡流となった人物の「御遺誡」だけが後世まで残された。平安時代の皇位や摂関の継承、さらには時代の深層に迫り得る史料として近年、注目されている。日本古代政治史の大家が、五つの御遺誡を通して案内する奥深い古典世界。

目次 : 第1章 嵯峨天皇と『嵯峨遺誡』(嵯峨天皇と皇位継承/ 『嵯峨遺誡』の内容/ 嵯峨天皇と『嵯峨遺誡』)/ 第2章 宇多天皇と『寛平御遺誡』(皇統交替と宇多・醍醐天皇/ 『寛平御遺誡』の内容/ 宇多天皇と『寛平御遺誡』)/ 第3章 菅原道真と『菅家遺誡』(菅原道真の功罪/ 『菅家遺誡』の内容/ 菅原道真と『菅家遺誡』)/ 第4章 醍醐天皇と『延喜御遺誡』(宇多・醍醐皇統の確立と朱雀天皇/ 『延喜御遺誡』の内容/ 醍醐天皇と『延喜御遺誡』)/ 第5章 藤原師輔と『九条右丞相遺誡』(小野宮流・九条流と藤原師輔/ 『九条右丞相遺誡』の内容/ 藤原師輔と『九条右丞相遺誡』)

【著者紹介】
倉本一宏 : 歴史学者。1958年、三重県津市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター名誉教授。専門は日本古代政治史、古記録学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • よっち

    近年、平安時代の皇位や摂関の継承、時代の深層に迫る史料として注目されている「御遺誡」。「光る君へ」の時代考証を務める著者が5つの御遺誡を通して案内する一冊。遺詔や遺言とは異なり、多くは子孫や門下などの後人に遺した訓戒で、嵯峨天皇、宇多天皇、菅原道真、醍醐天皇、藤原師輔の遺した御遺誡から、天皇や大臣が己の命より大事にしたものとは何か、子孫や門下に何を遺そうとしたのか、皇統確立や摂関家成立の関係とを考察していて、思いがけず嫡流になった時代背景も少なからず影響していたのではという分析はなかなか興味深かったです。

  • Toska

    24年6月出版で今年の大河を当て込んだことは間違いなく、内容も少し急いだ印象(引用が多く本文は意外に少ない)。だがそれでこのクオリティを保っているのは流石だし、平安朝にスポットが当たる機会などそうそうないから全力を傾けるのも分かる。この著者は研究対象への愛情を隠さないタイプ。子孫のために「御遺誡」を残したのは天皇家や摂関家の中でも傍流から嫡流に成り上がった代の当主が多い、という結論が興味深い。いわゆる万世一系理念も、こうした歴史的経緯を踏まえて考える必要があるだろう。

  • 石光 真

    遺誡を遺したのは宇多天皇、醍醐天皇、藤原師輔、いずれも本来嫡流でなかったのに新たに嫡流になりつつある人物による。源氏だった宇多、醍醐、摂関でなかった師輔の謙虚さが読み取れる。師輔は息子の伊尹、兼通、兼家、孫の道隆、道兼、道長の兄弟争いや傲慢を予測して坐しめた如くであると倉本一宏は言う。

  • 時雨

    子孫や門人など後人に遺された訓戒を「遺誡(ゆいかい)」という。帝の譲位や公家の家督相続に先立って、作成者が元気なうちに作成される点が遺言(遺詔)とは異なり、作成者自身の職務内容に触れるものも少なくないことから、後継者に宛てた引き継ぎ文書の色彩が濃い。現代まで伝わる遺誡のうち、本書では嵯峨天皇の『嵯峨遺誡』、宇多天皇の『寛平御遺誡』、菅原道真の『菅家遺誡』、醍醐天皇の『延喜御遺誡』、藤原師輔の『九条右丞相遺誡』を取り上げて、史料の信憑性を吟味しながら平安貴族の政治劇の舞台裏を垣間見る。2024年6月初版。

  • 読書記録(2018/10〜)

    「おわりに」で嫡流外からあらたな嫡流となった人物が遺誡をのこす、という話、さもありなん。個人的には師輔の章が面白かった。時折入る著者のツッコミに笑ってしまう。

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