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一条天皇

倉本一宏

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784642052290
ISBN 10 : 4642052291
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2003
Japan

Content Description

一条天皇は、平安中期に藤原氏の摂政・関白、特に道長と協調して政務や儀式を統括し、王権と摂関家の安定を築く。古記録や文学作品を丹念に読み解いて、31年の短い生涯を辿り、その新たな実像に鋭く迫る1冊。

【著者紹介】
倉本一宏 : 1958年生まれ。1989年東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程修了。1997年博士(文学)。現在、駒沢女子大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • しゅてふぁん

    『枕草子』や『源氏物語』など平安女流文学が花開き、藤原氏における摂関政治が最盛期となる一条天皇の時代。この時代の文学作品を読んでいくうちに、実在の人物に興味を持つようになり、『権記』や『御堂関白記』と共に 読んでみたくなった一冊。歴史物語とはまた違った印象を受けて、とても興味深かった。定子や彰子を中心に語られる‘物語’とは異なり、史実である‘重み’をひしひしと感じた。

  • 一条帝、大河だと定子一筋な描き方だけど、元子にもガッツリ行ってたんだなあ…とか、こないだ大河で描かれた頼通と明子腹の頼宗が童舞を詮子の賀で舞ったとき、頼宗の舞を一条帝がほめまくったら、道長がぶちきれて座を立っちゃったとか。今年の大河、道長のブラックズな部分が全然描かれてなくてそこはすごい不満。このあたりに若紫やさぶらいたまう等、公卿たちが泥酔しまくってた日というのは彰子が世継ぎを産み、五十の賀の祝いの席だったんだなあ。

  • Toska

    藤原兼家の孫として生まれた一条天皇は、自らの人生が藤氏一門内の権力争いに紐付けられていることを誰よりもよく知っていたのだろう。寵愛する定子とその子を引き立てたいと願いつつも、ラスボス・道長との衝突を恐れて踏み切れなかった一条。それは彼の弱さか、私情を捨てた英断と見るべきなのか。いずれにせよ、天皇というあまりに政治的な存在であるが故の悲哀。臨終の際に「私は生きているのだろうか」と言い残したのは、朦朧とした意識の中での発言かもしれないが、彼の生涯を端的に表現していたように思う。

  • MUNEKAZ

    一条天皇の評伝。藤原道隆による強引な即位に始まり、藤原道長の覇権確立など「傀儡」になりそうな要素を抱えながらも、バランスの取れた判断で自身の存在を確立していく姿はなかなか興味深い。とくに中宮・定子と彰子の板挟みにあった際に、自らの定子への愛情と「天皇」としての役割を取り違えないあたりは、のちに英主と称えられるのも納得がいく。また文学作品に代表される華麗な王朝風俗と、それに背反する政敵への過激なバッシングや災害・疫病の流行などのコントラストも印象的であった。

  • 紫草

    一条天皇は賢皇と言われた方らしいです。私は「中宮定子(と清少納言)、皇后彰子(と紫式部)」の、しか知らなかった。倉本一宏先生はいつもながら今目にすることができるありとあらゆる史料と資料と文献を分析、という風で密度の高い1冊でした。あまり同じ先生の本ばかり読むのは(違う説も多分多くあるので)良くないかなと思うのですが、文章も読みやすいし、古代史で今1番おもしろいのではと思う。(と言うほど色々読んでないのに他の先生ごめんなさい。)

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