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試行錯誤に漂う

保坂和志

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622085416
ISBN 10 : 4622085410
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2016
Japan

Content Description

私は小説はとにかく作品ではなく日々だ。「私」をほどいていく小説家の思考=言葉。芸術の真髄へいざなう21世紀の風姿花伝。

目次 : 弦に指がこすれる音/ 方向がない状態/ 果てもなくつづく言葉の流れ/ 書き手の時間・揺れ/ 小説という空間/ 未整理・未発表と形/ ランボーのぶつくさ/ 一字一句忘れない/ 読者の注意力で/ 作者の位置から落ちる〔ほか〕

【著者紹介】
保坂和志 : 1956年山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政治経済学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年「この人の閾(いき)」で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2013年『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 勝浩1958

    筋立てがなく一見して思いつくままにダラダラと(もの凄い量の原稿用紙が反故になっているのかも知れないが)書かれた文章が、私には心地よい。そもそも日常生活を送っていて、考えが一つ処にまとまったり理路整然と落ち着くところに落ち着いたりすることもなく、いろいろな雑念のようなイメージが幾重にも並行して漂っている状態が常態化しているのではないだろうか。それを文章にすると”すとんと”分かったような気になるのだが、その書いている文章に触発されて新たなイメージがまた漂いだすような気がする。

  • 吟遊

    楽器の練習、野球の練習でもそうであるように、小説を書くということは日々、書くことそのものであって、捨てられた原稿も含めて、それが小説家の「書く」ことなのだ。だから、完成された作品にこだわる必要もなく、それはごく一部にすぎない。日々の試行錯誤、手を動かす、考える、それらすべてが小説だ、という趣旨。また、プロットも構成も計算され、細部の正確さにこだわった「小説」という形式を逸脱してもよいのではないか、とも。とりわけ、遺稿として残ったカフカと、著者が愛するベケットを取り上げながら、同じテーマの変奏。文体も変!

  • ぽち

    絶対絵画、というものにずっと強く惹かれていた、いやさっきGoogleで調べてみたら自分がそういう言葉で認識していたものはどうやら「無対象芸術」というらしい、ともかくそのような表現?に惹かれていて、それを小説でできないものか、絶対絵画、いや「無対象芸術」足り得る小説、そういう小説ができないものか、とやはりずっと思っていた。

  • ぷらんとぱいん

    保坂和志氏は私が大学生の頃最も影響を受けた作家の一人で『アウトブリード』や『私という演算』を読んで、ドゥルーズやカフカに出会った。同じようなエッセイなのだが、明らかに文体が違う。アウトブリードの頃はまだ【言いたいこと】を他者に伝わるような形にしようとしていたのだが、この本やカフカ練習帳などは、本当に取り止めのなく緩んでいくような文体で私はまだアウトブリードの方が読みやすいけど、読めばわかる通り目指すものはその【読みやすさ】とは対極にあるものなのだからその読みづらさこそが保坂和志の深化の証なのではないか。

  • タキタカンセイ

    久しぶりに保坂和志の本を読む。小説に「正解」を求めるな、小説を「読み解く」な、というのは今の「タイパ」から最も遠くにある「考え方」だと思う。「よくわかんないけどこの味が好き」、というのが小説を読むことの本質なのかも知れない、というような事を考えました。あとがきに引用されていた『秘儀と習俗』をとても読みたくなりました。

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