Books

熟柿

佐藤正午

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041146590
ISBN 10 : 4041146593
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan

Content Description

激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。

【著者紹介】
佐藤正午 : 1955年長崎県生まれ。83年『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞しデビュー。2015年『鳩の撃退法』で山田風太郎賞、17年『月の満ち欠け』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 旅するランナー

    人生の道を外れてしまった女性。会えなくなってしまった息子に伝えたい心の日記。とてもつらい生活だけど、それでも千葉から山梨石和温泉、大阪、福岡へと流れて生きていく。タイトルの意味が分かるラストに救われ、大辞林第四版で調べたくなります。

  • tetsubun1000mg

    「本の雑誌」の7月号の書評で絶賛されていたが、あらすじの紹介の時点で苦しい気持ちになる題材だったのでためらっていた。 しかし、続く8月号の上半期ベストテンでは圧倒的に第一位と称されるので読んでみた。 冒頭から親戚から評判の良くなかった伯母さんの葬儀での精進落としの場面から始まる。 事件は飲んだ夫を助手席に乗せて運転して帰る途中で起こる。 この辺からは読むのが辛くなりなかなか進めなかったのだが、終盤から少しづつ空気が変わってきそうに泣てくる。 衝撃の事実も出てくるのだが、初めて会った息子の言葉に救われる。

  • フリット

    面白かった、とても。自分が好きな作家である佐藤正午さんの物語を堪能しまくった。30年以上前に著者のデビュー作を読んだとき、あまりに物語に引き込まれて徹夜で読破したときの感覚を呼び起こされた。単行本は映画の代金と同じくらいで、必ずしも手頃な値段ではない。しかし、映画の時間を超えて自分の好きなタイミングで何度も楽しみ続けることができる極上のエンターテイメントだと、著者の小説を読むと感じる。本作品はまさにそんな物語だった。次作はいつかな。楽しみで仕方ない。

  • いつでも母さん

    熟れてただ落ちていく柿を想像した。違う!頭では楔とか枷という言葉が浮かんで雁字搦めになる。心には母として「息子に逢いたい」思いが募る。くぅ、これ以上の不幸に見舞われませんようにと祈りの読書時間だった。罪は罪として・・だが、違和感に気付いた時「あなたは卑怯だ」そう、何年経とうが言って良いんだ。胸が熱くなるラストにタイトルの意味を理解した。お薦めです。

  • hiace9000

    初出は2106年。以降年一度の寄稿で、実に9年かけ発刊となった今作の成り立ちこそ、まさに『熟柿』―たるか。一度の人身事故で暗転した一人の女性・かおりの16年に渡る苦悩の変転・流転を綴る。後悔と諦念に囚われ、時に狂気にも魅入られつつ、他人の悪意を引き出し悪運まで手繰り寄せるかに思える鬱々たる展開は、途中あまりの息苦しさに読む手も滞らせるほど。最後まで彼女を支えたのは「母」たらんとした忍耐と絆、そして妙なる縁だったのかもしれない。佐藤作品の醸す"独特の雰囲気"はそのままで、終章では感涙必至の傑作小説である。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items