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アマテラスの変貌 中世神仏交渉史の視座 法蔵館文庫

佐藤弘夫

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784831826046
ISBN 10 : 4831826049
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

圧倒的な存在感をもつ中世の神仏や死者。人々は「土着の神」や「外来の仏」ではなく、「あの世の仏」と「この世の神仏」という世界観のなかで生きていた。童子・男神・女神へと変貌するアマテラスを手掛かりに、中世の民衆が直面していた生々しいイデオロギー的呪縛を抉りだす。それは、神仏習合論、本地垂迹論、神国思想論、顕密体制論などの見直しを迫り、新たな宗教コスモロジー論の構築を促す。

目次 : プロローグ 神仏交渉論への視座/ 第1章 祟る神から罰する神へ/ 第2章 “日本の仏”の誕生/ 第3章 コスモロジーの変容/ 第4章 変貌するアマテラス/ 第5章 日本を棄て去る神/ エピローグ ある個人的な回想

【著者紹介】
佐藤弘夫 : 1953年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了。東北大学大学院文学研究科教授。博士(文学)。専門は、日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ∃.狂茶党

    本書は中世の人々が暮らしていた、神仏混淆の世界を、捉え直す試みである。 プロローグとエピローグが、エッセイ風であるのは、我が強い気がしてちょっと鬱陶しさをおぼえる。 とはいえ、エピローグの怪異との遭遇は、お堅い本としては珍しい。 実話怪談・オカルト関係者も読んで損はない。 後書きから、解説まで当人が書いてる。 解説はかなり良い、短いながら増補版として捉えていいのでは。 権社と実社、祟り神、作者による整理は明瞭であり、新しい視座として機能してるように思う。 大変面白く読み進めることができた。

  • アメヲトコ

    2000年刊、20年1月文庫化。表題にあるアマテラスは実はそんなには出てこなくて、中世の宗教を神と仏で分けるのではなく、彼岸と此土のコスモロジーとして捉え直そうとする意欲的な試みです。論自体はクリアーで刺戟的なのですが、それだからこそ文庫版解説は本人ではなく第三者からの客観的評価が欲しかった感じもします。

  • 剛田剛

    ・「神仏習合」は嘘ではないが正確ではない・超越者として彼岸にいる「ホトケ」と仏像などの形を持ってこの地で信仰される「ホトケ」は同じものではない・同じく「カミ」も祟り神としてのカミと守護者としてのカミの違いがある・それらのカミ、ホトケの多様なあり方を算入しないと「神仏習合」の意味は理解できない。

  • もるーのれ

    日本の古代から中世にかけての、「神」の位置付けや神仏の関係性について、様々な史資料を用いて鮮やかに描き出している。中世の神仏のあり方を、よくある「神」と「仏」の構図ではなく、「此岸の神仏」(=賞罰する存在)と「彼岸の神仏」(=救済してくれる存在)という構図で捉えているのが印象的で、目から鱗だった。いわゆる「鎌倉新仏教」が迫害されたのも、この神仏の関係性を無視したことに起因していると知れたりして、知的好奇心を大いに満たしてくれる一冊だった。文庫化していただいて有難い限り。

  • ikeikeikea

    同名書の文庫化。タイトルはアマテラスの変貌であるが、メインは副題にもなっている中世神仏交流史である。中世の神仏の関係については神と仏で分ける事が主流であるが、著者は起請文に現れる仏と現れない仏がいる事から、〈あの世の仏〉と〈この世の神仏〉の2つのグループに分ける事を提案している。中世についても神仏を分ける近代的な目線で見てしまっていた事痛感した。神仏習合以前に中世人は神と仏を分ける発想自体があまりなかったのだ。鎌倉新仏教の理解も含めて我々は中世に近代的な目線を持ち込んで価値判断を行ってはいなかったか。

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