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何かが後をついてくる 妖怪感覚と身体

伊藤龍平

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787220769
ISBN 10 : 4787220764
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

後ろに誰かいる気がする、何か音が聞こえる、誰もいないはずなのに気配を感じる…。日本や台湾の説話や伝承、口承文芸、「恐い話」をひもとき、耳や鼻、感触、気配などによって立ち現れる不定形な妖怪に迫って、闇への原初的な恐怖を浮き彫りにする。

目次 : 序 妖怪の詩的想像力/ 第1章 花子さんの声、ザシキワラシの足音/ 第2章 文字なき郷の妖怪たち/ 第3章 「化物問答」の文字妖怪/ 第4章 口承妖怪ダンジュウロウ/ 第5章 狐は人を化かしたか/ 第6章 台湾の妖怪「モシナ」の話/ 第7章 東アジアの小鬼たち/ 第8章 「妖怪図鑑」談義/ 第9章 妖怪が生まれる島

【著者紹介】
伊藤龍平 : 1972年、北海道生まれ。台湾・南台科技大学教員。専攻は伝承文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • HANA

    視覚聴覚触覚…身体感覚と妖怪がそれに及ぼす影響という視点よりまとめられた論文が中心。一例として「ビシャがつく」という妖怪の例が挙げられているが、似たような例として内田百閨u遍照金剛」の記述が思い起こさされたし、自分自身も某所で似たような体験をしたことがある。読友さんの感想にも体験があったというし、割と皆頻繁に経験してるのかなあ。面白かったのは後半の台湾における妖怪の変遷。無文字社会で語られる怪異から始まりその後日本の妖怪の受容から、最近は台湾独自の妖怪文化まで文化人類学的な観点で語られており興味深し。

  • へくとぱすかる

    『現代台湾鬼譚』の著者による、今月刊行の妖怪民俗学。妖怪を身体感覚との関連で捉える論から始まる。無文字社会と文字のある社会との間隙から、命名によって妖怪が生まれたりもする。台湾での妖怪のあり方が前著との関係でおもしろい。途中から、あの妖怪名は日本語と似ている、とは思ったが、やはり。しかし確かにふつう日本人が考えるのとは逆方向の伝搬かもしれない。学問として、いろいろな可能性を考えておくべきだと。教訓です。

  • アナクマ

    5章「狐は人を化かしたか」おおむね、小型の肉食哺乳類が人を化かすが、それらが妖怪に化けたケースをどう扱うか問題(動物ー幻獣ー妖怪、三者の境界線は淡い)というものがあるらしい。◉日常の些細な事件、その不可解な現状に因果関係を成立させるための解釈装置として狐狸狢が用いられることが多い。なお、その場の雰囲気に左右される流動的な「解釈」は、時が経つにつれて責任が軽くなり、類型性を帯びてくる。◉著者は北海道生まれ、台湾の大学に勤務する伝承文学の専門家。◉あと「計量妖怪学」てのがあるらしい。なんでしょう。

  • アカツキ

    誰もいないのに後をつけてくる足音がする、気配を感じる…。この妖怪感覚にまつわる日本や台湾など東アジア圏の説話や伝承、実話体験を紹介、考察した本。面白かった。特に台湾の先住民族タイアル族の長老の話が良い。文字を持たない文明には声を奪う妖怪が現れ、声を取り戻すにはナイフで舌をこそぐ。魔を払うにはやっぱり鉄なんだな。台湾の伝承や体験談に興味津々、もっと読みたくなった。「妖怪台湾」、張季雅さんの絵がめっちゃ良い!翻訳来てほしいな。

  • 円盤人

    妖怪とは身体の違和感のメタファーである、という持論を冒頭に述べる著者。ところが妖怪は名前や絵がついたりしても「変容」してしまい、詳細に入っていくほどまとめづらくなる。内容がとっちらかって見えるのはそのせいかもしれない。ただそれは妖怪論(ひいては、妖怪そのもの)の本質の一端であり、本書の瑕疵ではあるまい。びしゃがつくからふるやのもり、台湾のモシナなど対象は多彩豊富で、読み応えは十分すぎるほど。むしろその時々の指摘(トイレの花子さんに見る妖怪とジェンダーの関係など)にハッと気づかされることが多い。良書である。

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