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大政翼賛会への道近衛新体制 講談社学術文庫

伊藤隆

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062923408
ISBN 10 : 4062923408
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

すべての国家機関がひとつの党の指導下におかれ、その最高指導者は天皇に対する唯一の輔弼者となるという構想のもと展開した新体制運動。推進者の多くが、打倒すべきは財閥を中心にして、その政治的代弁者である既成政党、旧官僚、軍官僚、宮廷官僚という共通認識をもっていた。しかし、憲法違反の批判や旧体制派の抵抗で大政翼賛会は政府の運動組織に改組される。

目次 : 第1部 近衛新党運動“昭和一三年”(さまざまな「復古‐革新」派/ 軍部の中の動き/ 社会大衆党の「復古‐革新」派化/ 実現しなかった近衛新党計画)/ 第2部 近衛新体制運動の展開“昭和一五年”(近衛新党に対するさまざまな期待/ 動き出した新体制運動/ 大政翼賛会の発足/ 大政翼賛運動の落日/ 新体制運動とは何であったのか)

【著者紹介】
伊藤隆 : 1932年、東京都生まれ。東京大学文学部国史科卒。東京大学文学部教授、埼玉大学大学院教授、政策研究大学院大学教授を経て東京大学名誉教授。近代史史料やオーラルヒストリーを編纂・刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ゲオルギオ・ハーン

    大政翼賛会が成立するまでの経緯をまとめた一冊。教科書程度のことしか知らなかったので、どうして結成する流れになったのかが分かって興味深かった。1930年代でも日本はドイツやイタリア、ソ連のような独裁的に国力を結集できる体制が整備されていなかった。「革新派」とされる人々はそれを危惧し、政界のプリンス近衛文麿を担いで大政翼賛会運動を進めていく。近衛の煮え切らない動きや革新派以外の人々からの反発もあってなかなか進まない点が細かく説明されているところも良かった。戦時下での展開も含めてもっと知りたいと思いました。

  • ステビア

    新体制運動とは中絶した一国一党運動だった、ということなのかな。近衛というのはずいぶん優柔不断な人だったようだ。

  • MUNEKAZ

    近衛新体制運動から大政翼賛会成立までを関係者の証言から追う。やはり最初に感じるのは「近衛文麿、こいつ何なん」と思ってしまうほどの優柔不断っぷり。有馬頼寧の日記パートなどは、近衛の腰の定まらなさに対するイライラがシンクロしてくる。ただヒトラーの如き一党独裁体制は憲法上の制約があったことや、在野の身ならばともかく、首相とあっては「挙国一致」の手前、調停者にならざるを得なかった近衛の立場もわかる。結局右も左も革新派の夢は、敗戦とGHQによる「上から」の改革があって、初めて成し遂げられたということかな。

  • かんがく

    革新-漸進/進歩-欧化の分類によってこの時代の思想が理解しやすい。革新を求めて行われた新体制運動が、漸進や復古の反対の中で中途半端なものになっていった経緯が参加者たちの日記などからわかる。独伊ソなどの「下」からの一国一党体制とは似ても似つかない、「上」からのグダグダ。

  • 筑紫の國造

    近衛新体制研究の古典的名著として知られる、『近衛新体制』の新装版。いわゆる「新体制運動」の担い手として「復古–革新」主義者たちの存在を定義し、どんな人物がどのような構想で運動を進め、どのような問題点があったのかを明らかにする。「あとがき」にあるように、そもそも研究の蓄積や史料の少ない時代に始めたことからまずは史料集め、関係者の聞き取りから始めたという、まさしく先駆的研究と言えるだろう。以後の新体制研究は、多かれ少なかれ本書の影響を受けているのではないだろうか。この時代を研究するのに、まずは読むべき名著。

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