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加耶 / 任那 古代朝鮮に倭の拠点はあったか 中公新書

仁藤敦史

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121028280
ISBN 10 : 4121028287
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

加耶(かや)/任那(みまな)は3〜6世紀まで存在した朝鮮半島南部の小国群名である。
『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、倭の関与について強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加羅、さらには加耶へと変わった。
 他方で近年、朝鮮半島南部で倭独自の前方後円墳の出土が相次ぎ、倭人勢力説が台頭している。
 本書は、日韓歴史共同研究をはじめ東アジア古代史の大きな争点である同地の実態を実証研究から明らかにする。

【著者紹介】
仁藤敦史 : 1960(昭和35)年静岡県生まれ。89年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。98年博士(文学)。早稲田大学第一文学部助手、国立歴史民俗博物館歴史研究部助手・准教授などを経て、2008年より教授。専攻・日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アキ

    日本書紀に表記される任那日本府が朝鮮半島南部における領域支配の拠点だったという通説は、現在明確に否定されている。表題の加耶は韓国側の資料に表記される地域名で、任那は日本書紀での表記である。加耶は3〜6世紀にかけて朝鮮半島南部の洛東江流域の十数か国からなる小国群を示す名称であり、高句麗、新羅、百済の歴史書「三国史記」の内容は、日本書紀とは異なるものが多く潤色の可能性が高い。栄山江流域で多数発見された日本固有の前方後円墳の存在や、百済から加耶を通じて天理市の石上神宮に伝わったとされる七支刀など興味が尽きない。

  • やいっち

    「『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる」というが、吾輩の「任那日本府」のイメージは、まさに『日本書紀』に綴られた像のまま旧態依然たるものだった。

  • 南北

    古代朝鮮の南端にあった地域を中国や朝鮮では加耶と呼び、日本では任那と呼ぶ。本書では比較的に公平な観点からこの地域の歴史を見ていこうとする点は評価したいが、いくつか気になる点もある。1つは日本書紀などの日本側の資料を否定する傾向が強く、三国史記などの朝鮮側の資料に依拠することが多い点と韓国の地名に韓国語でふりがなをつけている点である。韓国語の地名や人名にふりがなをつけても正確には表現できないだけでなく、非常か読みにくくなってしまう。漢字の発音はそれぞれ異なっても問題ないはずだ。

  • saga

    本書は3世紀以降の朝鮮半島と日本列島にあった古代国家との関係を史料(史料批判を含む)を基に考察する。高句麗・百済・新羅の三国は教科書にも出てきたが、加耶/任那は読メに出会ってから知ったと言って過言ではない。古代国家が編纂した歴史書は、神話であったり自国に都合の良いことを書くため、中韓日の史料を比較検討するのだが、離合集散がなかなかにややこしい。倭(ヤマト王権)が朝鮮半島に進出したくとも、軍事的にも距離的にも無理があったのだと思う。

  • 活字の旅遊人

    小学生くらいの頃に植え付けられている歴史的な知識はガラガラと崩れていく。その頃、古代朝鮮半島に倭の植民地があったという話を聞いて、本当かな? と思った記憶もあるにはあるのだけど。本書で思うのは、僕らが国家とか植民地という用語から持つイメージと当時の状況はおそらく違う。二つの国に従属する官僚だって相当数いたんじゃないかな。後の世でも例えば明智光秀なんてそんな感じ? いや、織田は建前上足利の下だからいいんだろうけど実質だとね。吉備氏が加耶任那エリアに関係があるとなれば、鬼ノ城の存在もかなりの証拠になるね。

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