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欲望の経済を終わらせる インターナショナル新書

井手英策

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784797680539
ISBN 10 : 4797680539
Format
Books
Release Date
June/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

気鋭の財政社会学者・井手英策が、新自由主義がなぜ先進国で必要とされ、広がり、影響力を持つことができたのか、歴史をつぶさに振り返り、スリリングに解き明かしていく。
そして経済と財政の本来の意味を確認し、経済成長がなくても、何か起きても安心して暮らせる財政改革を提言。
閉塞感を打破し、人間らしい自由な生き方ができる未来にするための必読の書!

市場原理を絶対視し、政府の介入を少なくすれば、富と福利が増大する、という新自由主義の考えは、80年代にレーガンとサッチャーよって実行され、米・英は好景気を迎える。
日本では、外圧や、政財界の思惑と駆け引き、都市と地方の分断などの要因から新自由主義が浸透。経済のグローバル化も起こり、格差が広がる。
勤労が美徳とされる「勤労国家」で、教育も医療も老後も、個人の貯金でまかなう「自己責任国家」、日本。財政が保障することは限られ、不安がつきまとう。
本来お金儲けではなく、共同体の「秩序」と深く結びついていた経済。共通利益をみんなで満たしあう財政への具体策を示し、基本的サービスを税で担う「頼り合える社会」を提言。貯金ゼロでも不安ゼロ、老後におびえなくてすむ社会に!

【目次より抜粋】
序章 レッテル貼りとしての新自由主義
奇妙な生いたち/新自由主義とグローバリゼーション
第1章 新自由主義へ舵を切れ!
日本をおそった3つのショック/2兆円減税 
第2章 アメリカの圧力、日本の思惑 
内政干渉を利用した日本の政治/クリントン政権の強硬な態度
第3章 新自由主義の何が問題なのか? 
なぜ都市無党派層は新自由主義を支持したのか/論理ではなく願望をかたる政府
第4章 「経済」を誤解した新自由主義の人びと 
戦争と病気がうみだした近代国家/「自己責任」と「共通のニーズ」のアンバランス
第5章 頼りあえる社会へ――人間の顔をした財政改革 
税と貯蓄は「同じコインの表裏」/成長依存型社会からの脱却
第6章 リベラルであること、そして国を愛するということ 
はたらくことが苦痛な社会/ベーシックインカムと人間の自由
終章 自由の条件を語るときがきた!
国家は必要悪ではなく、必要である/「所得制限」が生む不公平さと社会の分断

【著者略歴】
井手英策(いでえいさく)財政社会学者。慶應義塾大学経済学部教授。1972年、福岡県生まれ。東京大学卒業。東京大学大学院博士課程単位取得退学。専門は財政社会学、財政金融史。日本銀行金融研究所勤務などを経て現職。著書に『経済の時代の終焉』(岩波書店、大佛次郎論壇賞)、『幸福の増税論』(岩波書店)、『いまこそ税と社会保障の話をしよう』(東洋経済新報社)『ソーシャルワーカー』(共著、ちくま新書)など多数。


【著者紹介】
井手英策 : 財政学者。慶應義塾大学経済学部教授。1972年、福岡県生まれ。東京大学卒業。東京大学大学院博士課程単位取得退学。専門は財政社会学、財政金融史。日本銀行金融研究所勤務を経て大学で教鞭をとる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • けんとまん1007

    悪者を見出し(真実か否かではない)、人の視線をそこへ向けさせることで、わが身を守る・・・そんな時代は終わらせないといけない。もう立ちいかなくなっているのは、わかっていると思うのだが、そこの少しの転換ができない環境を作られている。とはいえ、希望を捨てるわけにはいかない。人の営みへの視線から始めよう。

  • 翔亀

    【人新世6】我が国が小さな政府と市場の自由化を目指す新自由主義に至ったのは、日本政治と国際政治の力学によることを、50年間の歴史の丁寧に跡付けることにより抉り出した名著「経済の時代の終焉」(2015)から5年。コロナはそんな新自由主義によって乗り越えることができるのだろうか、今は大きな岐路ではないか、という関心から最新刊の本書を読んでみた。新自由主義により、誰が幸福になったのかと問いかける本書は、政策提言の書だ。新自由主義の最大の問題点は、人々に痛みをだれに押し付けるかを争い、他者への不信感を植え付け↓

  • Francis

    小田原在住の財政学者井手英策さんの新著。後半の政策低減の部分は今まで井手さんが提唱してきたこととそれほど変わっていない。むしろ本の前半で展開される1990年代以降「新自由主義」がどうして多くの日本人の心をとらえたかを歴史をさかのぼって検証しているところが本書の注目すべき点。本当によくぞここまで調べて考察されたと思う。そしてこの本を読んでかつてブレーンとして関わった旧民進党の後継政党の政治家たちが井手さんの構想を実現しようとしないのかも理解できた。彼らも新自由主義に踊った人たちだったから、なのだ。

  • ta_chanko

    石油危機後、貧しい人だけ救済すれば皆が幸せになれる高度成長期は終わり、バブル崩壊によって法人税増税も限界に達した。その結果、法人税・所得税は減税され、消費税は増税、不足分は国債の発行で補うようになった。国債発行額は年々増加し、社会保障給付は切り下げられた。世論も規制緩和・民営化・財政支出削減を受け入れて新自由主義を支持した。結果、世知辛い自己責任論がまかり通り、格差も拡大していった。

  • くものすけ

    消費税増税に対する国民の忌避反応の説明がわかりやすかった。欧米各国他は日本より高率であるにも関わらず、反対する根本的要因は昔の財政投融資(国民の預貯金を原資として貸し出しを行う)税という形ではなかったことが一因とか、、、最近でも政府TOPから良く聞く言葉に「自己責任」があるが、この言葉で切り捨てられたら堪ったものではありません。

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