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この愛のゆくえ ポケットアンソロジ-

中村邦生

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003500248
ISBN 10 : 4003500245
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2011
Japan

Product Description

愛といってもさまざま。恋愛ばかりが愛ではない。小説家たちはそれぞれの視角から愛に光を当て,愛の諸相を垣間見させてくれる。愛を描くことは人生を描くことだ。カルヴィーノ,坂口安吾,プラトーノフ,岡本かの子,D.レッシング,三島由紀夫,R.ギャリ,吉田知子,ユルスナール等々,粒選りの逸品二十数篇を収録。

Content Description

愛といっても種々様々。作家たちはそれぞれの視角から愛に光を当て、愛の諸相を垣間見させてくれる。カルヴィーノ、坂口安吾、プラトーノフ、岡本かの子、ユルスナール、三島由紀夫、R・ギャリ、吉田知子、D・レッシングなど、粒選りの二六篇が交錯する。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    日本と世界の作家の様々な愛に関する短編を、中村邦生氏が選んだもの。ロシア、アイルランド、ベトナムまで、幅広い。芥川、安吾、太宰、三島、堀などの日本を代表する作家の短編よりも、愛という意味では、外国の話に圧倒的にひかれた。マンスフィールドの「ささやかな愛」。3ページで、惨めさを隠してかりそめの美しさを生みだす夜の優しさを描く。編者の訳も流れるようで素晴らしい。原題はleves amores。 プラトーノフの『帰還』。戦争の愚かさ、それに従事する男の心の醜さ、子供の老成。最後に家族の愛がむき出しになる。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    子供達が迷い込んだ「魔法の庭」には何もかもが備わっており、魅力的である。しかし、子供たちはそこで思う存分、安らいで遊ぶことはなかった。庭には何故か、分別を強いられるようなものがあったからだ。きっとあの庭はエデンのようなものだったのだろうと私は思う。「いたずら」はほんの些細な事が後々も心を温める。そんなかけがえない一瞬になる事は誰しもあるのだ。「燃ゆる頬」は再読。矢張り、男色を匂わせる場面よりも脊椎カリエスの跡を撫ぜる場面の方がエロティックだ。だがラストの若き生命力の伸びやかさによってその恍惚と淫靡さは霧散

  • azimuth

    タイトルはまずいがアンソロジーとしてはよい。友愛、恋愛、同志愛、夫婦愛、敬愛、家族愛、その他さまざまな愛を扱う短編を集めているんですが、有名な作家のあんまり有名でない作品が多くて、この人こんなの書くんだなあと開眼したり。(特に安吾は意外だった)残酷な若さを描いた「いたずら」、世界がひっくり返る「ささやかな愛」、癒し的立ち位置の「扉の彼方へ」あたりが好き。でもほんとは全部いい。解説にあるように、「落ち合ったけしき」の趣。

  • relaxopenenjoy

    日本と海外作家の作品が半々くらい。既読作品もちらほらあるも、初めて読めた作家は嬉しい発見。気に入ったのは ロマン・ギャリ「地球の住人たち」 シャーウッド・アンダーソン 「とうもろこしの種まき」

  • narmo

    最近アントン・チェーホフにハマっています、私。あるある話を、斜に構えて語るスタイルが堪らないです。このアンソロジーに収められたチェーホフ作品は「いたずら」。 主人公の「わたし」、悪い男だわー!!! 同じくらい悪い男が出てくるのが、三島由紀夫の「雨の中の噴水」。「別れよう」という一言を言うために、女の子と付き合い、ついにその目的を果たした男の話。なに、この男…。 この小説のほとんどを「なに、この男…」と思いながら読みました(笑)。

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