黒人の政治参加と第三世紀アメリカの出発 新版

民主主義とは？奴隷であり少数者であった黒人が、南部を舞台とした運動により、政治の主体へと変貌する６０‐７０年代の動向を分析する。黒人運動に触発されて研究を始めた著者の集大成。新版。

目次 : 問題提起―一九六一年、胎動するアメリカ南部/ 第１部　非暴力闘争の苗床となった黒人の伝統的政治文化をたずねて（キリスト教転化の論理―支配の宗教から反乱・抵抗・革命の宗教へ/ 対抗の思想・救世の思想―非暴力直接行動の英雄・キング牧師）/ 第２部　黒人の政治参加とアメリカ政治へのインパクト（圧力団体活動を通して　一九六四年公民権法制定をめぐる政治ダイナミクス/ 街頭での抗議運動を通して　非暴力直接行動の政治的効果―一九六四年公民権法制定をめぐって/ 政党への参加を通して　ミシシッピー民主党への黒人の挑戦―一九六四年、全国党大会での資格審査をめぐって/ 選挙権を通して　生まれ変わる南部政治―ジョージア州を中心として/ 全国政治における黒人政治の出発―一九七二年大統領選挙をめぐって）/ 第３部　第三世紀へ出発するアメリカ（カーター政権の誕生とその歴史的意味/ 変貌するアメリカ政治）/ 日本人とアメリカ人―ロバート・Ｆ．ウィリアムズの救援をめぐって

【著者紹介】
中島和子 : １９５６年、同志社大学法学部政治学科卒業。１９５８年、同志社大学法学研究科政治学専攻修士課程修了。１９５８‐６１年、Ｔｈｅ　Ｂａｒｂｏｕｒ奨学金を得て米国ミシガン大学大学院政治学部に留学。最後の年を、南部の黒人社会で調査に従事する（調査テーマ「黒人解放運動はどこまでアメリカ政治を変え得るか」）。１９６４‐６７年、東京大学社会科学研究所研究助手、１９６７‐９０年、桜美林大学教授。１９７４‐７６年、米国アトランタ市エモリ大学の客員研究員として南部政治を研究（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）