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雨月物語

上田秋成

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480083777
ISBN 10 : 4480083774
Format
Books
Publisher
Release Date
October/1997
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

独創的な幻想が綾なすファンタジックな世界―この幻想空間を描いて他の追随をゆるさない上田秋成『雨月物語』。それは、中国白話小説の用字や修辞を巧みに活用し、芸術的香気ただよう文章のうちに、主人公たちとその運命の悲劇的な情念世界をみごとに造形化した。貞女宮木、悪霊磯良、蛇精真女児らの悲しい運命を、作者の夢想的稟質と自覚的な方法が知的で美しい幻想小説に織りなしていく。この『雨月物語』の世界を、読みやすい本文とともに、語釈、現代語訳、さらには鋭角的な評を付しておくる。「訳注日本の古典」シリーズの決定版。

目次 : 巻之一(白峰/ 菊花の約)/ 巻之二(浅茅が宿/ 夢応の鯉魚)/ 巻之三(仏法僧/ 吉備津の釜)/ 巻之四(蛇性の婬)/ 巻之五(青頭巾/ 貧福論)

【著者紹介】
上田秋成 : 1734‐1809年(享保19‐文化6)。江戸中期の小説家。大坂で生まれ、商家の養子となる。1766年、浮世草子『諸道聴耳世間猿』で世に出るが、国学者・加藤宇万伎、小説家・都賀庭鐘と出会い、1776年、『雨月物語』を刊行する。晩年には、随筆集『胆大小心録』や、小説『春雨物語』を孤独のうちに著した。その作品は、江戸後期の戯作者たちに大きな影響を及ぼした

高田衛 : 1930年生まれ。東京都立大学名誉教授

稲田篤信 : 1947年生まれ。首都大学東京教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • こーた

    鬼(もののけ)が抱く想いは、なにも恨みや妬みばかりではない。約束や誓いを果たすため、ひとは霊となって時空を越え、あるいは土地にしがみつく。貴人が鬼となって顕れ、政治や経済、文学について、高僧と議論を闘わせる。夜通しの議論はかみわず、男女の想いはすれちがう。その齟齬が、異界の扉をこじ開ける。雨と月明かりをくぐった先にある彼岸の世界は、どこまでも怪異にみちて美しい。深い教養に裏打ちされた美しい文章が、読むものをあちら側へと導く。異世界の妖しさに魅せられたわたしは、その心地よさから抜け出せなくなる。

  • 糸車

    家族で吉備津神社に参拝したときに「吉備津の釜」を思い出した。たぶん、一番印象に残ったせいだと思うのだけれど、いかんせん記憶が古すぎて詳細が思い出せない。吉備津神社の吉凶を占うという釜は現在も火を絶やさない。火を守っていらっしゃる方にお話を伺うと吉を意味する音がはっきり聞こえたのに、一人だけ聞こえないという不思議な現象もあるそうな。つまりその人には悪いことが起こる。それを踏まえて再読。…怖かった。でも嫁は悪くない。あんな非道な夫はやられて当然と思った。初めて読んだとき小学生のわたしはどう思ったんだろう。

  • しゅん

    これは高田衛をはじめとする編者の仕事が素晴らしかった。注釈と翻訳と頻出単語集が丁寧な解説だけでなく、刊行当時の研究状況も伝えていて、江戸時代の短編小説集(短編小説という概念は当代存在しなかっただろうが)の「面白さ」だけに終始しない面白さを伝えてくれる。「菊花の約」の描写と逆説的な悲劇と不穏な最後に動かされた。ホモソーシャルとホモセクシュアルが無分化だった時代の物語。それにしても、上田秋成がこの本を書くために必要とした日中の古典文学の文脈が現在に(かすかにしか)繋がっていないのは惜しい。

  • tokko

    今回は原文と現代語訳を一編読んだら、石川淳の『新釈雨月物語春雨物語』の一編を読む、という手順を踏んだので時間がかかりました。「菊花の約」「浅茅が宿」「吉備津の釜」あたりはあちこちで読んだことがあったけれど、改めて物語への引き込み方がうまいなぁと思います。思い慕い待ち詫びる人の焦がれる気持ちを読者に共感させる手際のよさを実感するには、原文で読むべきです。「蛇性の淫」の白蛇の精という人ならぬ存在にすらつい思いを馳せてしまいます。

  • さとうしん

    語釈のほか、段落ごとに和漢の出典の指摘を中心とした詳細な評注が付いており、読みごたえのある校注・全訳本となっている。原典について特に予備知識のない読者にとっても有用。

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