ヴラジーミル・ヤコヴレヴィチ・プロップ

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魔法昔話の研究 口承文芸学とは何か

ヴラジーミル・ヤコヴレヴィチ・プロップ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062919548
ISBN 10 : 4062919540
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

異常出生譚や「オイディプス」のプロットは歴史的現実とどう関わったのか?
レヴィ=ストロースへの反論も収録!

『昔話の形態学』で世界に衝撃を与えたプロップ。その構造的研究、歴史的研究とはいかなるものか。レヴィ=ストロースへの反論のかたちで方法論を明快に示し、処女懐胎などの異常出生譚、「笑わない王女」の昔話、「オイディプス」の類話を題材に、民間伝承の構造と歴史的現実との関係を鮮やかに分析する。口承文芸の豊かな世界に誘う最適の入門書。

機能とは、行為の進行にとっての意味という観点から規定される登場人物の行為と解される。たとえば、主人公が自分の馬に乗って王女の窓まで飛びあがる場合、わたしの言う機能とは、馬に乗って飛びあがるということではなく、求婚と結びついた難題の遂行という機能である。(中略)機能の設定は資料を詳細に比較研究して導き出されたものである。したがって、まったく勝手に、主観的に機能を設定したかのごとく言うレヴィ=ストロース教授にはどうしても同意することはできない。――<「魔法昔話の構造的研究と歴史的研究」より>

【目次】
1 魔法昔話の構造的研究と歴史的研究――レヴィ=ストロース教授の批判に応える
2 異常誕生のモチーフ
3 口承文芸における儀礼的笑い――笑わない王女の昔話について
4 口承文芸の世界におけるオイディプス
5 口承文芸の特徴
6 口承文芸と現実
7 口承文芸の歴史性とその研究方法

Content Description

『昔話の形態学』で世界に衝撃を与えたプロップ。その構造的研究、歴史的研究とはいかなるものか。レヴィ=ストロースへの反論のかたちで方法論を明快に示し、処女懐胎などの異常出生譚、「笑わない王女」の昔話、「オイディプス」の類話を題材に、民間伝承の構造と歴史的現実との関係を鮮やかに分析する。口承文芸の豊かな世界に誘う最適の入門書。

目次 : ウラジーミル・プロップの生涯とその仕事―序に代えて/ 1 魔法昔話の構造的研究と歴史的研究―レヴィ=ストロース教授の批判に応える/ 2 異常誕生のモチーフ/ 3 口承文芸における儀礼的笑い―笑わない王女の昔話について/ 4 口承文芸の世界におけるオイディプス/ 5 口承文芸の特徴/ 6 口承文芸と現実/ 7 口承文芸の歴史性とその研究方法

【著者紹介】
ウラジーミル・プロップ : 1895年ペテルブルグ生まれ。ペテルブルグ大学言語・文学部卒業。元レニングラード大学教授。口承文芸の歴史的・類型学的・構造的研究を切り拓く。1970年没

齋藤君子 : 1944年生まれ。上智大学外国語学部ロシア語科卒業。専門はロシアとシベリアの民話(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • roughfractus02

    『口承文芸と現実』の収録論文を削られ、並べ替えられて文庫化した本書だが、ロシア・フォルマリズムの主張の背景にある「現実」が見える。群論を用いて潜在意識と無意識を区別し、構造変換によって変動を記述したレヴィ=ストロースに「形式主義」と批判される著者は、自らの方法の「演繹」性を擁護する。その時、形式内で口承文芸を分類する著者の形態学に共産政権下でのロマノフ王朝までの歴史アーカイブへの決別の残響が聞こえるかのようだ。本書では生と笑い、生殖と無関係な男の観念と処女懐胎、権力移譲と様々なオイディプスが取り出される。

  • Mits

    すばらしい。世界中にちらばった類話を比較することで、昔話を解体・分析し、根源を探り、それによって発達の過程がわかってくる。昔話に降り積もった歴史の年輪を、薄皮を剥ぐようにして源流に迫っていく様子は圧巻。ただ、文化が線形に発展して後戻りしないというモデルは、ちょっとあっち方面のイデオロギーを感じたりもする。

  • たぬき

    レヴィ=ストロース「構造と形式」への反論あり

  • ふたば

    再読。以前は宗教儀礼が民話の中に落とし込まれていく過程が特に面白く感じていたようだけれど、今度は、「笑わない王女」の民話の成り立ちが特に面白かった。妊娠・出産や生まれることや死ぬことにまつわる、人々の無知や宗教的な意味、メカニズムを知らないことからくる神話的合理化が、段階を踏んで物語を形成していくの面白い。そうした人々の理解のレベルが昔話の中に名残を残しているのは本当に面白い。あと、本や演劇などの媒介をもって機能する文学とは違い、語り手と聞き手の二者間で媒介なしに成立する口承文芸ってほんとにいいな〜。

  • amemosky

    少し古い論文集なんですが、著者のこと全然知らなかった。「オイディプス王」は、古代の王権移譲が女系(王→娘婿)から父系(王→息子)に移行していく際の新旧概念が重なり合って、父を殺して母と結婚するという物語になっていると分析したくだりは特に読み応え有りました。

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