ワシーリー・グロスマン

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人生と運命 2 新装版

ワシーリー・グロスマン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622095392
ISBN 10 : 4622095394
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ウクライナの町から狩り出され、移送列車でユダヤ人絶滅収容所に到着した人々をガス室が待っている。生存者グループに選別されて列から離れる夫に結婚指輪とパンを手渡す妻。移送列車で出会った少年の母親がわりをするうちに、生き残る可能性を捨てて少年とガス室に向かった女性外科医―。赤軍記者として解放直後のトレブリンカ収容所を取材したグロスマンは、ナチ占領下のホロコーストの実態を最も知るソヴィエトの人間だった。国家と民族の栄光、一方は革命、他方は第三帝国の名のもとに、スターリニズムとナチズムが鏡像関係にあることを、グロスマンは見抜いていた。イデオロギーの力が死や拷問や収容所と結びつくとき、人々はモラルを失った。ナチの絶滅収容所ガス室施設長は、私が望んだのではない、運命が手をとって導いたのだと語った。普遍的な善の観念はイデオロギーとなって、大きな苦難をもたらす。恐怖と狂気の時代に、善意は無力だった。しかし、ささやかで個人的な、証人のいない善意は、無力だから力をもつ。それは盲目的な無言の愛であり、人間であることの意味である。20世紀の証言が、時空を超えて届く。グロスマンの生涯をかけた哲学的思考が文学に結晶した圧巻の第二部。

【著者紹介】
ワシーリー・グロスマン : 1905‐1964。ウクライナ・ベルディーチェフのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻。炭鉱で化学技師として働いたのち、小説を発表。独ソ戦中は従軍記者として前線から兵士に肉薄した記事を書いて全土に名を馳せる。43年、生まれ故郷の町で起きた独軍占領下のユダヤ人大虐殺により母を失う。44年、トレブリンカ絶滅収容所を取材、ホロコーストの実態を世界で最初に報道する。次第にナチとソ連の全体主義体制が本質において大差ないとの認識に達し、50年代後半から大作『人生と運命』を執筆。60年に完成。「雪どけ」期に刊行をめざすが、KGBの家宅捜索を受けて原稿は没収。「今後2〜300年、発売は不可」と宣告される。「外国でもよいから出版してほしい」と遺言し、死去。80年、友人が秘匿していた原稿の写しがマイクロフィルムに収められて国外に持ち出され、スイスで出版された

齋藤紘一 : 1943年群馬県生まれ。東京大学理学部化学科卒。在学中に米川哲夫氏にロシア語を学ぶ。通産省入省後、課長・審議官を務める。93年退官後、ISO(国際標準化機構)日本代表委員、独立行政法人理事長等をへて現在、翻訳家。99年、通訳案内業免許(ロシア語)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Э0!P!

    とにかく登場人物が多い。メモをとりながら読んでいるのに誰が誰やら分からなくなりそうになる。(脇役だと思っていた人間が後々重要だったりするので勘弁してほしい。) ソ連が段々とロシア民族主義に陥り始め、ナチスと似た顔つきになっていく。生まれの貧富がキャリアに影響を与えた国家から、民族の出自がキャリアに影響を与える国家へと。物理学者ヴィクトルが焦点を当てられるこの2巻で、段々と運命に不穏な空気がまとわりついてくるのが3巻の結末を不安視させてくる。

  • かんちゃん

    激化するスターリングラード攻防戦。モスクワの研究室、絶滅収容所、前線など、多くの場面がザッピングされる群像劇。全体を追いきるのは諦めながら、感情移入できる幾人かの主人公を追いながら読む。主人公たちはそれぞれに、戦争だったり、時にプライベートな事情だったりに翻弄されていくが、果たしてどこにいきつくのか。悲惨な中にもユーモアがあって、読み進められてしまうのだが、とかく展開が重い。

  • takeakisky

    モフトフスコイは、どうなっちゃったのよと、じりじりしながらも、いつしかヴィクトルの挿話に夢中に。クルイモフより一枚上手のグレーコフ。第六号棟第一フラットにまた熱くなる。前半目をつけていたベリョースキンの暴れっぷりに、にやりとし。前半と同じ。ついつい進みすぎてしまう。人間性を破壊する二つの政体。片方は容赦なくひっぺがし、圧し潰すファシズム。もう一方は、じりじり剥ぎ取り、ぎりぎり擦り潰すスターリニズム。どちらも意味のない共通項を以て人間を選別する。絶滅収容所のガス室に震え、物理学者の身上調査書に震える。

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