レベッカ リシン / 藤田優里子

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時の終わりへ メシアン・カルテットの物語 Messiaen

レベッカ リシン / 藤田優里子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784871985536
ISBN 10 : 4871985539
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

2008年、メシアン生誕100年記念出版

時の終わりへ
メシアン・カルテットの物語

レベッカ・リシン著 藤田優里子訳

第二次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜収容所に捕らえられた人々のなかに、
フランスが生んだ20世紀最大の作曲家、オリビエ・メシアンがいた。
彼は、収容所という生と死が隣り合わせとなった極限状態で、四重奏曲「時の終わりへ」を作曲し、同じく捕らえられていた三人の音楽家とともに、収容所で初演した。

20世紀のフランスを代表する作曲家オリヴィエ・メシアンの《時の終わりへの四重奏曲)》は音楽史、政治史、文化史において、重要な位置を占めている。
本書は、《時の終わりへの四重奏曲》誕生をめぐるドキュメントである。
作曲・初演に至る経緯、音楽家たちの第八A捕虜収容所での体験、そのような環境への彼らの対応、初演、彼らの生きた時代について、生存する関係者、遺族に直接取材して、作品が作曲された順序、初演のときの観客の数、楽器の状態、作曲家が解放された経緯について、これまでの通説にある矛盾を解明する。
メシアンとこの名曲を取り巻く人びとの証言は、この作品ばかりか、第二次大戦中の捕虜収容所の文化についての認識さえも、変えてしまうだろう。

メシアンの伝記は多く著されている。
しかし、代表作《時の終わりへの四重奏曲》について書かれていたとしても、それは作曲法の歴史的考察でしかなく、さらなる理論的分析への序章にすぎない。四重奏曲の歴史に触れている著者の多くが二次的資料か作曲家自身の言葉を引用している。他の三人の演奏家やその家族への取材、歴史的初演についての証言、初演がおこなわれた第八A捕虜収容所に関する資料を検証したものは、ほとんど見られない。本書によって、《時の終わりへの四重奏曲》誕生の歴史は初めて記される。
20世紀の名曲が生まれた過程を追跡した感動的なドキュメンタリー。A5判・240頁・上製

Content Description

目次 : 日本語版出版に向けて / 謝辞 / 《時の終わりへの四重奏曲》楽章のタイトルと楽器編成 / 誘い / 第一章 始まり / 第二章 捕虜収容所にて / 第三章 初演に向けて / 第四章 間奏曲 / 第五章 初演 / 第六章 解放 / 第七章 その後 / 第八章 永遠へ / 訳者あとがき / 資料

【著者紹介】
レベッカ・リシン : オハイオ州立大学音楽学部クラリネット科助教授で、木管楽器部門の主任。2002年度の芸術系大学における、最優秀教官賞受賞。1994、ポーランドのクラクフで行われた国際クラリネットコンクールで優勝。その後、イギリス、フランス、ポーランド、スウェーデン、アメリカ合衆国などで、数々のオーケストラと共演し、国際クラリネット・フェスティバルで演奏する。イェール大学を第三位優等で卒業、文学士号を取得、音楽学修士号を取得。フロリダ州立大学で音楽学博士号を取得。そして、パリのエコールノルマル音楽院で演奏学位を取得。オハイオ州コロンバスのプロムジカ室内管弦楽団でクラリネット奏者としても活躍

藤田優里子 : 1970年生まれ。神田外語大学英米語学科卒業。英語と韓国語の翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 松本直哉

    砲弾と硝煙の中に人間が斃れ滅びても、鳥は歌うのをやめない。徴兵された作曲家が偶然出会ったクラリネット奏者のために書いた曲は絶望的な深淵と喜びに満ちた鳥(それはほとんど永遠性の象徴に思える)の両方を表現する。これを萌芽としてメシアンが捕虜収容所で作曲・初演した「時の終りへの四重奏曲」をめぐる物語。偶然出会った思想も気質も異なる4人が厳寒と飢餓の中でまるで化学反応のように火花を散らしてこの彼岸的な音楽を演奏するさまが眼に浮かぶ。戦後再び4人が集うことはなかっただけになおさら奇蹟的な出来事に思える。

  • 忽那惟次郎8世

    オハイオ州のクラリネットの教授であるレベッカ・リシンによるものだろうか クラリネットそして、この四重奏の収容所での奏者 アンリ・アコカに焦点は当たる。実は私はこの本を読んで主人公はアンリ・アコカであり そのファミリーではないかと思った ユダヤ系のアルジェリア生まれのアコカ(ファミリー)の家族の絆、悲劇、愛情溢れる逸話は メシアンや時の終わりの四重奏に関する逸話よりもより印象的だ 詳しくは読んでいただきたいのだが 収容所での演奏における3本弦のチェロの虚構話などが この本では暴露されているが メシアンの

  • atik

    第二次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜収容所にて初演された『時の終わりへの四重奏曲』。本書の取材において中心的な生き証人の役を果たすパスキエ、戦後も音楽界を牽引し続けたメシアン、一家共々ホロコーストと隣り合わせのなかも明るく逞しく生きたアコカ、戦後音楽家として活躍した3人とは異なり、戦争により音楽家の人生を断たれ、戦後一切友人らと交流しなかったラニエと、四者四様の姿が関係者への取材と確かな文献の検証に基づいて描かれている。関係者らが存命のうちに取材を行ない、このように形として残してくれた著者に感謝。

  • Goya

    ★★★ フレスト、ヤンセン、テデーン、ドゥバルグの録音があまりにも素晴らしくって、思わず手に取った一冊。好奇心は満たされたけれど。この曲が作られた背景を知っていても知らなくてもそれぞれに感動出来るってことが、なにより素敵。

  • Auristela

    『時の終わりへの四重奏曲』がまだ一度も演奏されない頃、譜面に書き下ろされた音符を辿る4人を想像するとドキドキする。どんな音楽も発せられる前には頭にしかないのだけど、この曲を始めて聴いた(演奏した)人は衝撃だっただろう。意外とメシアンは戦時中、他にも作曲をしていて、幼子イエスに注ぐ20の眼差しとか、プロパガンダ映画のBGMにしたら泣いちゃうな。

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