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ISBN 10 : 4799322451
Content Description
心は、いつの時代も興味を引く魅力的な存在であり、古代の哲学者に始まり多くの思想家が、それ――その正体やしくみ――について脳みそを絞り続けてきた。実は、この冒頭の文にすでに、古くからのビッグクエスチョンが隠されている。脳と心は同じものなのだろうか? そして、心や脳がそれらを通してしか考察することができないものだとしたときに、それでも私たちの試みは有効なのだろうか?
このように、心を理解しようという試みには、「自己言及」のパラドックスがついてまわる。
心のビッグクエスチョンに取り組もうとするとき、自己言及の感覚は遍在している。私たちは、「思考とはなにか?」と思考せずに問うことはできない。知識のほとんどを得るために使ってきた思考プロセスについて考えることなく、「知識とはなにか」と考えることも無理だ。しかし、このような問いをあつかう際は、それを哲学的な問いとみるか科学的な問いとみるか選ぶことができる。私自身は後者のアプローチをとる傾向が強い。21世紀においては、記憶や情動、言葉やアイデア、夢と想像、知覚と思考、そして自己感覚と外界の感覚が、脳の活動によるものではないと言い張る人はほとんどいないだろう。私たちがこれをもっとも明確に認識できるのはそれが失われているときで、脳の正常な働きが妨げられたときになにが起こるかをみればよい。
この本の各章で提起した問いにアプローチする際、私は決定的な答えを出すことを目的とはしなかった。多くの場合、答えは一つだけではないからだ。私はときに、著者の特権として個人的に気に入っている答えを強調したが、それが万人の合意を得られるものだとは考えていない。
私の目的は、私の出した答えを踏み台として、読者自身が20のビッグクエスチョンに対する自分なりの答えを探索し、考えるよう誘うことだ。もし私がこの試みに成功しているならば、読者はエビデンスを検証し、独自の結論を導き、そうしている間も他者が自分とは異なる結論にいたるかもしれないことを十分に認識している、よき陪審員となってくれていることだろう。
【著者紹介】
リチャード レスタック : アメリカ精神神経学会会長を務めたこともある神経科医。複数のニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作品を含む約20の著作がある。ジョージワシントン病院大学の神経科医学教授
サイモン・ブラックバーン : ケンブリッジ大学の哲学教授とノースカロライナ大学の哲学研究教授を務める。現代の最も著名な哲学者の一人である
古谷美央 : 東京大学教養学部英語コース(PEAK)特任助教。東京大学理学部生物科学科(動物学)卒業、同大学院医学系研究科修了。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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漆黒猫
読了日:2021/05/21
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読了日:2020/02/04
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読了日:2018/04/07
LvzaB
読了日:2020/03/06
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