モーリス・メーテルリンク

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ガラス蜘蛛

モーリス・メーテルリンク

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784875024118
ISBN 10 : 4875024118
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ミズグモの栄養源である甲殻類の幼虫やマツモムシは、池などの水底に暮らす。水中に釣鐘型の部屋をつくり、その空気を吸って暮らすミズグモの不思議を紹介。『青い鳥』のメーテルリンクが綴る珠玉の博物文学。

【著者紹介】
モーリス・メーテルリンク : 1862年8月29日、ベルギーのゲント市に生まれる。イエズス会の名門サント・バルブ校からゲント大学に進み、法律を学ぶ一方、友人たちと詩作に耽る。弁護士になることを目指して向かったパリで、リラダンらパリ文壇に輝く詩人たちと出会い、文学の道に入ることを決意。1889年、二十七歳のときに詩集『温室』を出版し、以後、詩や戯曲をつぎつぎに執筆する。世界的に有名な『青い鳥』は1906年の作。1911年にはノーベル文学賞を受賞。昆虫や植物の世界を独自の神秘主義的世界観のもとに捉えた『蜜蜂の生活』、『白蟻の生活』、『蟻の生活』、『花の知恵』などの作品は、博物文学の名品とされる

高尾歩 : 早稲田大学卒業、明治大学大学院修了。明治大学講師。十九世紀末から二十世紀にかけてのフランス、ベルギーの詩、およびシュルレアリスムを研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • きゅー

    数あるクモの種の中でも唯一水中で生活を行うミズグモについてのエッセイ。専門的なものではなく、文学的なエッセイとして楽しめる内容となっており、ミズグモの生態が彼自身の驚きの視点でもって描かれている。内容は彼の人生観、宗教観も加味されており学問的なものではなかった。エッセイ「青い泡」が付け加えられており、これは幼少期の思い出となっている。愛情あふれる両親のもとで暮らしていた日々が懐かしくに書かれており、楽しい読み物だった。彼はこのエッセイを書いた翌年に亡くなっている。その死が甘美で速やかだったことを願う。

  • YO)))

    アルギロネタ・アクアティカ,和名ミズグモ.空気の潜水服を纏い,釣鐘型の巣を作って水中で暮らす,不思議な蜘蛛.ファーブルのそれのような,昆虫記としての要件も具備しつつ,詩人メーテルリンクの眼差しは,観察を超えて,もっと遠く,深くへと伸びていく.例えば,知性の根源を巡る思索.私たちが普通想定するような,一世代の個人の知性とは別に,他世代の―或いは永遠の―サイクルの内に集団で共有される知性を昆虫は確かに備えている.それがどこから来るのかは分からないにしろ,私たちが昆虫から学ぶことはまだ幾らもあるのだ,と.

  • アカシア

    水銀玉のような衣をまとって水をゆくミズグモの神秘。メーテルリンクの虫を敬愛する心が強く伝わってくる。ミズグモたちの美しさから、そもそも“知性”とはどこからくるのか、という問題を答えがない、結論を与えない形での自由な論考に続いてゆく。最後の章は作者の子供時代の美しい思い出。私はこの章が一番好きかも知れない。

  • Hidetaka Ohtsubo

    「ガラス蜘蛛」と「青い泡」、見事な取り合わせのエッセイだった。生命の神秘、自然への憧憬に、老若のあわいを飛び越したメーテルリンクという人間の魂が絡み合う。詩的で、官能的な、にわかには得難い読書体験を与えてくれた一冊だった。

  • 七波

    「水の中を勝手気ままに進んでゆく泡」の正体、水蜘蛛の話。水蜘蛛が纏う泡を「ダイヤモンド」「クリスタル」と表現する美しさ。

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