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別れのワルツ 集英社文庫

ミラン クンデラ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087606799
ISBN 10 : 4087606791
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

秋の温泉地を舞台に幾組もの男女が、すれ違いもつれ合いながら演じる、愛と死の輪舞。
皮肉、ユーモア、悲哀…感情を掻き立てて奏でられる、「小説の魔術師」クンデラ初期の傑作。

【著者紹介】
ミラン クンデラ : 1929年チェコスロヴァキア生まれ。プラハ音楽芸術大学を卒業後、同大学で世界文学を講義する。67年第一長編『冗談』発表。68年の“プラハの春”の挫折後、大学の職を失い、全著作は国内発禁となる。75年フランス亡命。81年同国の市民権獲得。84年発表の『存在の耐えられない軽さ』、90年の『不滅』で世界的な注目を集めた。現在もフランス在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 優希

    愛と死はまさに別れのワルツだと思わされました。何組もの男女がすれ違い、絡み合いながら演じられる恋の輪舞は、奏でられる音楽のように心に響きます。亡命の決意が演じることになった5幕の円舞は、永遠の別れの協奏曲となったのでしょう。その曲が哀愁を誘う美しさがあるように感じました。

  • zirou1984

    軽やかに踊ることで別れを告げる相手は一夜限りを共にする相手なのか、それとも二度とその地を踏まぬと決意した祖国に対してなのか?クンデラにしては比較的オーソドックスな形式で描かれた5章‐5日間の協奏曲。ダンスのパートナーが次々と入れ替わるように、対比的な会話が次々と交差し、愛という観念は決して留まることなくその印象を変えていく。そして嫉妬や後悔、情念といった感情を精緻に明晰に切り取ってしまうクンデラならではのその筆力が、普遍的な恋愛物語を悲劇と困難に直面した歴史のメタファーとして成立させているのだろう。

  • 燃えつきた棒

    どうもこの書名には、僕の心を惹きつけずにはいられない魔力があるようだ。 そういう訳で、僕の本棚にはこの文庫本が二冊ある。 それも、両方とも新刊というのだから恐れ入る。 そういう訳で、三冊目を購入しないうちに、読んでみることにした。 実際に読んでみると、書名から悲恋への過剰な期待を抱いていた分、あまりにもありふれた下世話なストーリーに、<物語の耐えられない軽さ>を感じざるを得なかった。

  • こうすけ

    妊娠、堕胎、不倫についてのシニカルなラブコメといった筋書きに、クンデラらしく亡命や密告や共産主義といったテーマが絡まり合い、結果唯一無二の笑って楽しめる政治小説が完成。すいすい読めて面白いのでクンデラ入門におすすめ。

  • 長谷川透

    愛するが故に愛する者に中絶を求める。愛という大義の下では、愛の障害となる者の死さえも肯定できるのか。中絶を巡る問答から始まる愛と生と死のワルツ。重いものを盾にした軽さ。中絶は、決して珍しい文学的なテーマではないが、母国を愛しながらも母国を去らざるを得なかった作家がこれを書けば、生命の尊厳という論点だけに絞られない、人間が抱える普遍的な葛藤が見えてくる。小説内に複数の二項対立を持ち込んで人間の普遍性を焙りだすのはいつもながらのクンデラであり、作家として比較的早期にこの手法を確立していたは驚いた。傑作。

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