マーカス・レディカー

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奴隷船の歴史

マーカス・レディカー

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622078920
ISBN 10 : 4622078929
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

黒い奴隷と白い奴隷を乗せた「水に浮かぶ地獄」。資本主義成立の陰にあった残忍と悲惨、強欲と搾取、抵抗と反乱を現前させ、アフリカ系アメリカ文化への視座をも登り替える、黒い大西洋史。ジョージ・ワシントン図書賞をはじめ数々の賞に輝く。

目次 : 奴隷貿易における、生と死、そして恐怖/ 奴隷船の進化/ 中間航路への道/ オラウダ・エクィアーノ―驚愕と恐怖と/ ジェイムズ・フィールド・スタンフィールドと浮かぶ地下牢/ ジョン・ニュートンと平安の王国/ 船長の創る地獄/ 水夫たちの巨大な機械/ 捕囚から船友へ/ 奴隷船“ブルックス”の長い旅/ エピローグ 終わりなき旅路

【著者紹介】
マーカス・レディカー : アメリカの歴史家・市民運動家。ペンシルヴェニア大学で博士号を取り、現在、ピッツバーグ大学歴史学科のアトランティック・ヒストリー特別教授。社会史研究において「下からの歴史」を実践。近世大西洋世界の、船乗り、海賊、奴隷を扱った数々の著作は高い評価を受けている

上野直子 : 獨協大学外国語学部教授。専門はブラック・ブリティッシュ文学を中心とする「混成の英国」の文学と文化。英語圏ディアスポラ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • イボンヌ

    「奴隷貿易が続いた400年も間に、1400万人を超える奴隷がアフリカから大西洋を南北北アメリカに運ばれ、プランテーションの無賃労働者となった」裏表紙より。 拷問しレイプし、死ねば海に捨てる。絶食して自ら死を選ぶ奴隷も沢山いた。奴隷貿易が禁止されてまだ200年。黒い西洋史とよばれる。

  • BLACK無糖好き

    有志舎の社長がブログで本書を絶賛していたが、確かにこれ程優れた歴史書には滅多にお目にかかれない。奴隷船の歴史を細かい資料を積み重ねながら鮮やかに描き出している。船内での暴力、恐怖、病気、蜂起、抵抗そして一種の絆。奴隷よりも水夫の死亡率が高いという実態は「黒い奴隷」のみならず「白い奴隷」も、大西洋において急速な成長を見せていた資本と労働の過酷なシステムに組み込まれていた事を如実に表わしている。◆これだけの壮大なテーマに正面から向き合っている著者に敬意を表したい。間違いなく今年読んだ中で三本の指に入る作品。 

  • john

    表紙の絵は奴隷が船に積まれている様子を描いたもの。こんなに隙間なく、手枷・足枷をつけられてはるばる運ばれていったのだ。奴隷となるのは部族間の争いで捕虜となり奴隷商人に売り飛ばされた人、または、理由もなく拉致された人達だ。ナチスがやったことと変わらない。強制収容所よりましなのは、この旅には終わりがあり、商品としての価値を損なわないよう、食事や健康に多少は気をつけてもらえたことくらい。奴隷がいて初めて新大陸の商品作物の生産は成り立っていたのだ。拉致された人達の嘆きや抵抗を思うと心が痛む。

  • あきとら

    船長も水兵も奴隷もみな過酷な航海。400年も続いたなんて。。自分の知らない過去の世界。ものすごい情報量で勉強になりました。

  • 晴天

    奴隷船における人間模様について、残された記録から可能な限り拾い上げ再現してみせる労作。少数の船員で多数の奴隷を管理するのはやはり困難であり、まず必ず反乱は試みられ、断食や自殺の形の抵抗も試みられ、病気も発生する。しかも奴隷はなるべく生かして元気な姿で陸揚げしなければ航海の損益分岐点を割るのでやたら殺すわけにもいかない。だからなるべく鎖で拘束するが、高値をつけるため運動もさせねばならない。奴隷への扱いはとにかく非人道的だが、商品をあまり損なえない分、抑圧移譲は船員の内で渦巻き水夫の生存率も低いのに驚いた。

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