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ネコのムル君の人生観 下 光文社古典新訳文庫

ホフマン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334104672
ISBN 10 : 4334104673
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

読み書きを習得し、自伝を執筆するネコのムル。美猫のミースミースと恋愛、結婚、そして離婚したムルは、ネコ学生組合に入り、歌で喝采を浴びる。そして、ミースミースの浮気相手との決闘、友人ムチウスの死などを経験したのち、上流階級のイヌたちのサロンを体験するなど、修業時代から成熟期までが描かれる。一方、修道院に入るよう院長に勧められたクライスラーは、異国から来た僧キプリアヌスと対決することになる。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みつ

    どこか釈然としない気分で読み終える。とはいえ小説がムルの自伝の体裁をとる以上、ここで終わるのは当然かもしれない。「編集者」が第三部を予告しているが、この本の刊行後間もなく作者ホフマンが死去したという事情はさておき、解説が指摘するように最後の部分が最初に戻る円環構造が完結していることからも、やはり続編はないものと捉えるべきだろう。より興味深い存在のクライスラーに関する部分は未完のままだが、これも偶々紛れ込んだ反古という成り立ちからは、こうあって然るべきか。解説では、特に二人のヒロインの読み解きが素晴らしい。

  • アドソ

    クライスラーはホフマンの分身なのであろう。私小説を書くつもりでこの本を書き始めたのではなかろうか。しかしもしこれがクライスラーの伝記をひたすら書いた話だったらさぞかし退屈であったろう。ムル君の話を挟むことでほどよいメリハリが生まれている。が、このムル君も実はホフマンの分身なのではないかとさえ思える。というかホフマンが飼い猫ムルの目を通して眺めた世界というべきか。読んでいる間は楽しく、読後にはほとんど記憶が残っていないという不思議な話だった。

  • フリウリ

    途中、音楽理論やら絵画理論やらが入り、やや中だるみするものの、結末に向けて一気にストーリーが展開します。最後に予告されている第3編は、著者死去により未刊に終わったものの、ホフマンは一気に書き上げる人なので草稿もメモもなかった、というのがおもしろい。本書上下(1編、2編)も一気に書き上げられたのでしょうが、楽曲にさまざまな形式があるように、ストーリー展開におのずから強弱、緩急がついてしまう技は、驚くべきものです。ムル君の語りから、シェイクスピア、ルソーなどの当時の受容状況がわかるのも興味深い。8

  • ハッカ飴

    とてもおもしろかった。上流階級の人たちの空疎さや聖職者がよからぬことを企てたりするなど、そういう風刺はやっぱり小気味いい。

  • のん

    教養ある詩人(猫)のムル君とエキセントリックな音楽家クライスラーの物語。上巻に続き文はすらすら読めた(上滑り気味に)。200年前の作品なので取り上げられる当時の文学、音楽などなど知らないものも多く、風刺も含め面白く読めたかは…。ただ今回はホフマンに傾倒したシューマンとピアノ曲クライスレリアーナを理解するための読書だったので得たものはある(感覚的にですが)。二重小説が全体としては面白いのだけど(ネコ社会のところは愛らしい)、別々の2つの作品として読んでみたらどうなのだろう。

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