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未熟児を陳列した男 新生児医療の奇妙なはじまり

ドーン・ラッフェル

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784562057313
ISBN 10 : 4562057319
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
林啓恵 ,  

Content Description

20世紀初頭、ドクター・クーニーと名乗る興行師が、華麗なる口上を繰り広げ、万国博覧会やコニーアイランドで大成功を収めた。男が売り物にしたのは体重わずか2ポンドの「未熟児の展示」。しかし真の目的は、赤ん坊たちを救い、当時はまだ珍しかった保育器を全米の病院に広めることだった―。ナチスにも影響を与えたアメリカの優生思想。健康な赤ん坊が賛美される一方で、未熟児たちは医師たちに見捨てられた。そんななか、七千人もの未熟児を救った興行師はその功績を称えられることもなく、ひっそりと歴史の闇に消えていった。本書では貴重な証言をたどり、謎に満ちた男の軌跡と、新生児医療の黎明を明かす。

目次 : プロローグ 息吹/ 第1部 発明の父たち(赤ちゃん好きは万国共通/ 死んでいないのに死亡広告/ ショーマン誕生 ほか)/ 第2部 適者生存(科学と産業の大行進/ 著名なるマーティン・アーサー・クーニー(COUN´EY)医師の登場/ ゼリーを壁に打ちつけるが如し:クーニー愛好家の後継者 ほか)/ 第3部 黒いコウノトリ(空白地帯/ 魔法にかけられた人生/ ジュリアス・ヘスの大活躍 ほか)

【著者紹介】
ドーン・ラッフェル : ジャーナリスト、伝記作家、短編作家。長年、雑誌編集者を務め、『オプラ・マガジン』の創刊に携わった。コロンビア大学のMFAプログラムで創作を教え、サンクトペテルブルクやモントリオール、リトアニア、ニューヨークなど、世界各地で文学セミナーを受け持っている。現在はフリーの編集者、書評家としても活躍

林啓恵 : 国際基督教大学教養学部社会科学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • shamrock

    皆さん読みづらさを述べておられますが、うん、確かに読みづらい。しかし主題があまりに魅力的で、読み進むモチベーションは落ちない。19世紀末から20世紀初頭、今だ発達していなかった新生児/未熟児医療界に存在した、生涯をかけて赤ちゃんを救い続けた謎の男の生涯。彼がいなければ俺は今生きていなかったのではないか。そう思った。

  • DEE

    博覧会で保育器の中の未熟児を展示したクーニー。それまではどうせ生きられないからと見捨てられていた命を救うことができるようになっていく。 今なら未熟児を展示するとは何事だと、とんでもなく怒られるだろうけど、当時そこにしか頼るところがなかった比較的貧しい親は感謝したという。そしてその展示が未熟児と保育器の存在を世に広め、現在の新生児医療へと繋がっていく。時間が経たなければ評価を下せないことは少なくない。

  • 春風

    博覧会で未熟児を見世物にして非難を浴びた自称医師の山師。しかしアメリカに優生思想が広がり、医学界さえも弱者を見捨てる中で、彼は7000人の未熟児を救った男だった。忘れられた人物の業績を掘り起こした労作。

  • ふたば

    はっきりしていることは、大勢の未熟児がこの男のおかげで命を救われたのだという事。 正規に医師であったのかさえ詳らかではないが、「本物の」医師を協力者とし、献身的な看護婦たちをそろえ、病院の専門医にさえ実現できなかったことをやり遂げていた。救われた子供たちは、手厚く看護され、障害を持つこともなく、成人へと成長した。その実績がきちんと世に出てこられたのであれば、それで良いのかもしれない。

  • 田中峰和

    1930年代、格差や貧しさがはびこる時代には適者生存が当たり前、弱い者は生き残れなかった。ナチスドイツほど極端ではなくても、世界的に優勢思想が当然のように浸透していた。最も弱い赤ん坊、その中でも未熟児を救おうとするほど医学にも余裕がなかった。本書で紹介されるクーニー医師は、国や行政に援助を受けることは最初からあきらめていた。未熟児を救うための保育器を研究するには資金が必要。その捻出のため彼らを見世物にすることで資金集めをした。クーニー氏の資料が多くないせいか、大統領暗殺事件など当時の事件が紹介される。

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