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キリギリスのしあわせ

トーン テレヘン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105069933
ISBN 10 : 4105069934
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

森のはずれのキリギリスの店。窓には、大きな文字で、こう書かれていた。なんでもあります(太陽と月と星以外)。親切で働きもののキリギリスの店には、今日もまたどうぶつたちがやってくる。助け舟を出してくれるテーブル、なくならないケーキ、着替え用のうろこや羽毛、誕生会の“スピーチ”、ほんものの“絶望”、あと一日の“時間”、新しい“句読点”…。遠方の客のためにはどこへでも配達に行くが、“悲しみ”は少しずつしか売らない。たくさんだと、それは“痛み”になるからだ。だれのことも失望させたくないキリギリスは、なんでも取り揃えてどうぶつたちを迎える。ときにはいっしょにお茶をのみ、ときにはひとりでダンスをして―。『ハリネズミの願い』『きげんのいいリス』につづく大人のための“どうぶつ物語”第三弾。

【著者紹介】
トーン・テレヘン : 1941年、医師の父とロシア生まれの母のもと、オランダ南部の島に誕生。ユトレヒト大学で医学を修め、ケニアでマサイ族の医師を務めたのちアムステルダムで開業医に。1984年、幼い娘のために書いた動物たちの物語『一日もかかさずに』を刊行。以後、動物を主人公とする本を50作以上発表し、文学賞を多数受賞。オランダ出版界と読者の敬愛を一身に集めている。『ハリネズミの願い』で2017年本屋大賞翻訳小説部門受賞

長山さき : 1963年神戸生まれ。関西学院大学大学院修士課程修了。文化人類学を学ぶ。87年、オランダ政府奨学生としてライデン大学に留学。以後オランダに暮らし、現在アムステルダム在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    トーン・テレヘン、四作目です。本書は日本での最新作ですが、刊行順で言うと、四作の中では10年前の一番古い作品でした。多様な生物(人間)たちの欲望や我儘を満たすキリギリスのお店は、巨大なショッピングモールの様なものかも知れません。アウトプットばかりしていると、何時か破綻(疾病)してしまいます。しかしキリギリスがこんな働き者だとは思いませんでした(笑) https://www.shinchosha.co.jp/special/kirigirisu/

  • ☆よいこ

    動物寓話。森はずれにあるキリギリスのお店「なんでもあります。(太陽と月と星以外)」品物だけでなく、スピーチや絶望、新しい句読点など品ぞろえは抜かりなし。キリギリスのモチベーション高すぎ。でも時々はセンチメンタル。シリーズの中では1番好き。▽なんでもない日おめでとう

  • (C17H26O4)

    ハリネズミとリスの既読2冊よりも深刻に捉えてしまい少し苦しくなりました。キリギリスのお店には誰のどんな欲しいものもすぐに提供できるよう、何でも取り揃えてあります。家具から句読点から雨から絶望までも。彼は誰も失望させないよう腐心しています。それが使命でありしあわせと思っています。知ってか知らずか動物たちは気軽にお店を訪れて欲しいものを手にしていきます。その裏にもそれぞれの悩みがあって軽いわけではないんだけど、でもキリギリス、君は? ほんとうにしあわせ? ユーモアとともに存在意義について考えさせられます。

  • Ikutan

    『ハリネズミの願い』『きげんのいいリス』に続く三作目。今回の主人公は親切で働きもののキリギリス。太陽と月と星以外はなんでもあるというキリギリスのお店に、朝早くから動物たちがやって来る。彼らを失望させないように毎日奮闘するキリギリス。クマにはなくならないケーキを。ミミズにはたくさんの雨を。お客さんの欲求は限りない。絶望、奇跡、恥知らず..。″悲しみ″は少しずつしか売らない。たくさんだと″痛み″になるから。哲学的だったりはっとさせられたり。病気のキリギリスを助けたのはやっぱり彼だった。その優しさにニンマリ。

  • 美紀ちゃん

    亀の甲羅の上の安楽椅子は、ちょっと想像できない。落ちない?固定できる? ロブスターは乱暴。「明日の誕生日に、結局、何ももらえないとしたら、何がおまえらを襲うかわかるか?良心の呵責だよ」恐ろしい。 「疑い」とか「絶望」も売っている店。 何でも売りたいキリギリス。 森も、地球も、天も、世界全体も。自分自身も売りたい。 毛虫の靴下のところで確信したが、これ絶対に、店の奥にドラえもんがいる。

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