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絶倫の人

デイヴィッド ロッジ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560083246
ISBN 10 : 456008324X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

晩年を迎えたロッジが到達した新境地!


「未来を創った男」の波瀾万丈の生涯。才能と矛盾を抱えた作家の素顔とは?破天荒な女性遍歴、人気と富をもたらした数多の名作、社会主義への傾倒…オマージュに満ちた傑作長篇。


新境地に達した名匠による、最新の伝記小説(バイオ・ノヴェル)!
「ウェルズの人生は途方もなく並外れたものである……作品を成功させるには、語りの推進力が必要である。ウェルズの多くの作品とは異なり、ロッジの小説には、それがある。この小説は素晴らしい勢いで弾むように進んで行き、決してだれることはない、ベッドの中においてさえも」(『ガーディアン』書評より)


「未来を創った男」の破天荒な生涯
1945年春、第二次大戦は最終局面にあった。末期癌の78歳の作家ウェルズは、妻をすでに亡くし、空襲で破損した家に隠棲していた。そこで、貧しく苦労した生い立ち、人気と富をもたらした名作、文人との華麗な交流、浮名を流した女性遍歴を回想している。またかつては、戦争根絶を提唱し、「世界政府」の樹立を夢見ていた。『タイム・マシン』『宇宙戦争』などで「SFの父」と称され、世界で最も有名だった作家は、いまや忘れ去られ、貶められ、広島・長崎への原爆投下を知り、人類の未来を信じなくなっていた……。彼の破天荒な生涯は、成功だったのか、失敗だったのか?


作家ロッジは最新作となるこの伝記小説で、波乱に満ちたウェルズの一代記を展開する。富を享受した社会主義者、フェミニストの女たらし、従来の文学に反抗した人気作家……才能にあふれ、「矛盾の塊」ともいうべき、魅力的な人物像を描くことに成功している。そして何よりウェルズは、周囲の共感と反発を招きながらも、百人以上の女性と関係を持った「性豪」でもあった! 本書は晩年を迎えたロッジが達した新境地であり、多彩な顔を持つ鬼才「H・G」への見事なオマージュになっている。


2013/09/30 発売予定


デイヴィッド・ロッジ David Lodge
1935年、イギリスのロンドン南東部のブロックリーで、本人によれば「中産階級の下」のカトリック教徒の家に生まれた。ロンドン大学で英文学を学び、バーミンガム大学教授を長年務めたあと、早期退職し、筆一本の作家生活に入った。現在までに15の長篇小説、1つの短篇集、11の評論集、5つの戯曲を発表している。97年にフランスの芸術文化勲章シュヴァリエ、98年に大英帝国勲章を受章した。


訳者:高儀 進(たかぎ すすむ)
1935年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。翻訳家。日本文藝家協会会員。訳書に、ロッジ『大英博物館が倒れる』『どこまで行けるか』『小さな世界』『楽園ニュース』『恋愛療法』『胸にこたえる真実』『考える…』『作者を出せ!』『ベイツ教授の受難』『改訳 交換教授』ほか多数ある。





【著者紹介】
デイヴィッド・ロッジ : 1935年、ロンドン生まれ。ジェローム・K・ジェローム、イーヴリン・ウォーの系譜に連なる、「現代最高のコミック・ノヴェリスト」。『交換教授』(ホーソーンデン賞とヨークシャーポスト紙小説賞をダブル受賞)、『小さな世界』(ブッカー賞最終候補作品)など傑作長篇をはじめ、多数の評論、数本の戯曲も発表。フランスの芸術文化勲章シュヴァリエ、大英帝国勲章を受章している

高儀進 : 1935年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。翻訳家。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Vakira

    小学校の頃、ウェルズさんのお陰でSFというジャンルを知った。時間旅行、宇宙人襲来、改造人間、透明人間などSFの基本となる数々のパターンを創った。最近、ウェルズさんのSFでない小説を読み、SFでないのに面白さを知った。調べていくうちこの本の存在に当たる。何この題名。ウェルズさんラヴマシーン?僕の偉大なるSFの父のイメージは・・動物の発情期は子が育て易いタイミングに産むためのシステム。人間は地球の季節による発情期から解放されたが月と快楽に支配されてしまった。自分の遺伝子を数多く残すためには多くの人と目合うこと

  • i-miya

    2013.10.27(読んだわけではありません、2013.10.27日経新聞読書、書評欄から)(評者=巽孝之・慶應義塾大学教授) (著者=デイヴィッド・ロッジ、1935生、英国作家) (見出=複雑な時代を生き抜いた作家) H.G.ウェルズ=1866-1946、英作家、世紀転換期に活躍。 ポー、ヴェルヌと並ぶ。 『タイムマシン』『宇宙戦争』『モロー博士の島』、『解放された世界』(原子爆弾の脅威、予言)。 デイヴィッド・ロッジ=学界や文壇が素材の小説を書かせたら天下一品の現代イギリス作家。 

  • 春ドーナツ

    「『絶倫の人』と言えば、ミック・ジャガーのことを思い出す。君はどうかな?」「その前にデリカシーを思い出したらどうかな?」***本書は「小説」と謳っているけれど、私は或る種の評伝として歴史書に親しむように読む。歴史書は人々の人生を俯瞰し、評伝は個人の営みに焦点を当てる。両者は表裏一体だと思う。H氏の小説は「透明人間」しか読んでいないし、映画「宇宙戦争」を観た程度の門外漢なのだが、それはネックにはならなかった。インタビュー形式がプロットに違和感なく組み込まれていて、D氏ならではの技巧だなとにんまりする。

  • kasim

    長いけど、面白かった。大勢の女性と関係しても、嫌な奴と思えない。ウェルズの不幸は、根底では愛と性をどこか区別しているところかも。だから性に積極的になれない女性を愛したり、逆に性を楽しむことだけに特化した女性を求める。その矛盾は、本来ペシミストなのに、世界平和の理想を掲げて奔走する姿にも重なる。ロッジは、死期の迫ったウェルズ自身の心の声という形で、その矛盾、かばいきれない利己性も本人が意識しているものとして描いている。困った人だが、やはり偉大。個性豊かな女性たちも魅力的。ウェルズ作品を好きな方は、ぜひ。

  • ケニオミ

    何度途中で挫折しようかと思ったほど退屈な本でした。自分の性欲を満足させるため、自分の名声、地位、知識を総動員して女性を魅了しようとした男の話でした。思い通りにセックスするため、自由恋愛論を唱え、女性の性の解放を説く。しかしながら本当は二重基準の持ち主で、自分の愛する女性は縛ろうとする。実に俗物的な男性でした。その一方、未来の戦争のあり方を予見するような小説を発表し、第一次大戦後の戦争処理や世界政府の樹立について興味ある意見を述べる。その点興味深いのですが、結局は「絶倫の人」についての小説でした。残念!

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