ディーノ・ブッツァーティ

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現代の地獄への旅 ブッツァーティ短篇集

ディーノ・ブッツァーティ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784885880957
ISBN 10 : 4885880955
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

ミラノ地下鉄の工事現場で見つかった地獄への扉。地獄界の調査に訪れたジャーナリストが見たものは、一見すると現実のミラノとなんら変わらないような町だったが…。美しくサディスティックな女悪魔が案内役をつとめ、ジャーナリストでもあるブッツァーティ自身が語り手兼主人公となる「現代の地獄への旅」、神々しい静寂と詩情に満ちた夜の庭でくり広げられる生き物たちの死の狂宴「甘美な夜」、小悪魔的な若い娘への愛の虜になった中年男の哀しく恐ろしい運命を描いた「キルケー」など、日常世界の裂け目から立ち現れる幻想領域へ読者をいざなう15篇。

【著者紹介】
ディーノ・ブッツァーティ : 1906年、北イタリアの小都市ベッルーノに生まれる。ミラノ大学卒業後、大手新聞社「コッリエーレ・デッラ・セーラ」に勤め、記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書き、生の不条理な状況や現実世界の背後に潜む神秘や謎を幻想的・寓意的な手法で表現した。現代イタリア文学を代表する作家の一人であると同時に、画才にも恵まれ、絵画作品も数多く残している。1972年、ミラノで亡くなる

長野徹 : 1962年、山口県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院修了。イタリア政府給費留学生としてパドヴァ大学に留学。イタリア文学研究者・翻訳家。児童文学、幻想文学、民話などに関心を寄せる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    プッツァーティは大好きな作家だが、この短編集は毒が強い話がずらっと並び、口直しする作品がないために苦いままに終わってしまった感じ。老後への悲観、叶わない恋愛から若い女性を悪魔のようにみたてるやり方など、読み手も鬱々としてしまう。その中でも良かったのは、血を吸うものどもがその餌をなくしてしまう『十八番ホール』 若いと思っていても明日は我が身『老人狩り』、静かな庭での虫や小動物の生き死にが描かれる『甘美な夜』の3つは、描かれ方を好きになれた作品。

  • (C17H26O4)

    ブッツァーティ独特の皮肉さや残酷さがすっかりくせになってしまった。結構こわいのだけどね。ここは先日読んだ『モレル谷の奇蹟』の聖女リータに登場してもらって、人々が見舞われている世にもオソロシイ出来事からさくっと彼らを救い出してほしいなあ、なんて思った。だって一見ただただ不条理な出来事も、実は人間の持つダークな部分の核心を突いているようで後味が悪いのだもの。だから「P.G.R」(Per Grazia Ricevuta ご加護によって)でめでたしめでたしって終わってほしくなっちゃうのよ。

  • HANA

    短編集。著者独特の寓話性を持つ話からすっきりと明るい話まで多彩な作品の数々が収録されている。とはいえ個人的には『タタール人の砂漠』のような人生の寂寥を感じさせる話が好み。その意味では過ぎ去りし人と庭の変動が一致する「庭の瘤」やある後悔が詩情たっぷりに描かれる「二人の運転手」等がとても良い。他にも静かな夜の出来事を描く「甘美な夜」や母の力と著者にしては痛快なラストの「卵」等、やはり著者の力量を味わえる一冊となっている。表題作は再読であるが、この地獄が皮肉に満ち満ちてやはり著者らしいなと再確認した次第である。

  • マリリン

    不条理で哀しくやりきれないな中にも暖かさを感じた「卵」で惹き込まれる。登山家らしい発想の「庭の瘤」も印象深い。「老人狩り」「二人の運転手」もよい。カフカや安部公房の世界に似ているがどこかに超えてきたかのような穏やかで優しい眼差しを感じる。変転してゆく話は空理空論というのか。ユーモアもカンツォーネのような未練を残さない明るさもあり、全作品に著者の魂の軌跡を感じるが、表題作「現代の地獄への旅」は著者自身の旅。そろそろ訳者が違う「神曲」読みませんか?という囁きが聞こえてきた。ブッツァーティ良いな。

  • kazi

    『タタール人の砂漠』とかで有名なイタリア人作家ディーノ・ブッツァーティの後期短編集。250ページ弱の中に15話収録ということで、一編一編のボリュームはかなり少なめで読みやすかった印象です。どの話も非常に寓話で思わせぶりな作品が多い。短編集中最大ボリュームの100ページ弱を割いた表題作は正直個人的にはイマイチでした。車に取り憑かれた男性を奇妙な体験が襲う『公園での自殺』と、老いることをテーマにした『老人狩り』という作品が個人的にグッときました。以上、レビュー終わり!

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