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ロ・ギワンに会った 韓国文学セレクション

チョ・ヘジン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787723222
ISBN 10 : 4787723227
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「彼は希望を育む術と地の果てまで絶望する術を同時に鍛えなければならなかった」

脱北者の青年ロ・ギワンの足跡を辿るなかで、失意と後悔から再生していく人びとの物語。

英語版・ロシア語版も刊行された話題作
映画原作のロングセラー、日本上陸
申東曄文学賞受賞作

「命がけで国境を越え、最愛の人を失い、生きるためだけに見知らぬ国へと流れ着いたここまでの道のり。
それが何の意味もなかったことを受けいれなければならない、氷のように冷たい時間。
彼は、懐かしさだけで故郷を思い出す甘い時間は、自分には今後いっさい訪れないだろうと悟った。」

単身ブリュッセルに流れ着いた20歳の脱北者ロ・ギワン。
希望を見いだせず、自分を否定する日々を送っていた放送作家の「わたし」は、雑誌で出会ったギワンの言葉がきっかけで、彼の足跡を辿る旅に出る。
オンライン配信映画、2024年公開!

「なにものにも置き換えることのできない感情は、一度も会ったことのない他者の人生を通じてよみがえることもある。
ブリュッセルに来て、ギワンの供述書と日記を読み、彼が滞在した場所や歩いた街を辿っている間、ギワンはすでにわたしの人生に入り込んでいた。
だからこそ、今度は彼にもわたしのことを、彼自身が介入しているわたしの人生を知ってもらおう。
ギワンがわたしの人生へと歩んできた距離と同じ分、わたしもまた彼に向かって歩んでいくべきなのだ。」

【著者紹介】
チョ・ヘジン : 本名、趙海珍。1976年、ソウル生まれ。2004年、中編「女に道を訊く」(『天使たちの都市』に収載、呉華順訳、新泉社)で『文芸中央』新人文学賞を受賞し、作家デビュー。マイノリティや社会的弱者、社会から見捨てられた人びとなど、“他者”の心に思慮深い視線を寄せる作品を書き続けていることで“他者の作家”とも呼ばれ、幅広い読者の支持を得ている、現代韓国文学を代表する作家の一人。『ロ・ギワンに会った』で申東曄文学賞、長編『かけがえのない心』(オ・ヨンア訳、亜紀書房)で大山文学賞、『完璧な生涯』で東仁文学賞、短編集『光の護衛』(金敬淑訳、彩流社)で白信愛文学賞、短編「散策者の幸福」で李孝石文学賞など、数々の文学賞を受賞

浅田絵美 : 1983年、広島県生まれ。韓国学中央研究院の韓国学大学院にて人類学科修士課程卒業。日本の放送局にてディレクターとして勤務後、韓国でラジオのパーソナリティや翻訳の仕事を始める。韓国文学翻訳院の翻訳アカデミー特別課程を修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Roko

    北朝鮮から中国を経てベルギーのブリュッセルにたどり着いたギワンは、ここに来ようと望んできた訳ではない。そもそも、ヨーロッパにどんな国があるかも知らず、地図だって見たことがない。脱北のブローカーが言った言葉に従ってきただけだ。ベルギーの人たちが話しているフランス語はおろか、英語だってわからない。アルファベットをゆっくりと書くのがやっとだった。この国の韓国大使館へ行って難民申請すればいいのだとブローカーに教わっていた。でも、なかなか行くことができない。「毎日読みます」で紹介されていたこの本は、素晴らしかった。

  • Kanako

    また素晴らしい韓国文学に出会いました。大切な人を傷つけてしまったことに打ちのめされた主人公が、脱北者の青年ロ・ギワンの手記を読み、彼の足跡を辿って旅をする。そのなかで、他者への深い憐れみとそこから生まれる希望を見つけていく物語。しんと静かで重いのに、どこか心が洗われていくような読書体験でした。解説にも、著者は「他者の作家」であり「光の作家」とも呼ばれていると書かれていましたが、とても的確な表現だと思いました。

  • にゃにゃころ

    韓国文学にふれるたびに思うのは、とても情が深くて繊細で優しいということ。人の苦しみに寄り添うのはとても難しい。寄り添えなかったことにこんなにも苦悩するものなのか... 哀しくて優しい余韻に浸っている。ノーベル文学賞のハン・ガンさんもそうだけど、これからもっともっと読んでいきたいと思う。翻訳がすごくいいのも大きいんだろうな。「ロギワン」はNetflixでも見たけど、小説の方が圧倒的によかった。こんな本に出会えたことに感謝。翻訳してくれてありがとうって言いたい。

  • 星落秋風五丈原

    ロ・ギワンの辿った道筋をたどりながら時に感情移入するキム記者。

  • kibita

    読んでいると、小雨が衣に染み込むように静かに悲しみが心に染み渡ってくる作品だった。他者はどこまでも他者であり、その苦しみや悲しみに完全に寄り添うことはできないーその事実にさえ、負い目や痛みを感じることがある。そして自分だけの悲しみは誰にも理解されないのだと絶望している人にこそ、この物語は読まれてほしいと思う。ただ最後へ向かう流れは、情緒の余韻を置き去りにしてしまった印象。登場人物達の痛みや孤独が丁寧に積み重ねられてきたにも関わらず、その結末はまるで物語の帳尻を合わせる為に用意された慌しさが感じられたかな。

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