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満ちみてる生

ジョン・ファンテ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784896425123
ISBN 10 : 489642512X
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ハリウッドの脚本家だった30代の体験―白蟻に床を抜かれた家、頼った煉瓦積み工の父はイタリア移民第一世代らしくがさつで頑固、妻は出産前にカトリックへの改宗を望み、無信仰になっていた自分は幼い日の信仰へは戻れない…。父になる喜びと息子の立場を失う哀しみ、父母と妻、そして新しい命、それぞれの生を成熟したユーモアで包む生の讃歌、自ら脚色した映画も大成功した心温まる傑作。

【著者紹介】
ジョン・ファンテ : 1909年、コロラド州デンバーにて、イタリア人移民家庭の長男として生まれる。1932年、文藝雑誌“The American Mercury”に短篇「ミサの侍者」を掲載し、商業誌にデビュー。小説の執筆のほか、ハリウッド映画やテレビ番組に脚本を提供することで生計を立てていた。1983年没。享年74歳

栗原俊秀 : 1983年生まれ。京都大学総合人間学部、同大学院人間・環境学研究科修士課程を経て、イタリアに留学。カラブリア大学文学部専門課程近代文献学コース卒(Corso di laurea magistrale in Filologia Moderna)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • たま

    【辛口】江國香織さんが『物語のなかとそと』で激賞していた※と教えられ読んだ。邦訳は2016年、原著は1954年。読み始めたらとにかく古い。父親はイタリア移民第一世代で男の孫を熱望、息子である語り手はハリウッドで作家。妊娠中のその妻はカトリックに改宗希望だが夫は信仰に戻れない。世代間の価値観の違いを滑稽に描くが、ユーモアと言うよりはイタリア移民のニンニク臭とか妊婦の気まぐれと言った泥臭い笑いが鼻につく。最後に息子が生まれ、それはそれで感動的なのだが、それもどうだかなあと思う。

  • ちゅんさん

    面白かった。このファンテの読みやすさ、少し笑えるドタバタ感は一見浅そうに見えて何故か深い余韻を残すから不思議。家族を書いているからなのかな。“子供はつねに、お前の苦しみの原因になるからな”とか“なぜなら僕は人生のくだらなさを、儚さを、愚かしさを愛していたから”などの印象的なセリフも最高でした。これを読むと結婚なんてするかと思ったり、やっぱりしたい!子供も欲しい!と思えたりしてとにかくいい小説だなぁと

  • nobi

    75年程前のアメリカ西部の世界は、決まり事多かったり、夫と妻、親と子の関係も今と随分違って大変そう。特にイタリア移民の父親は何事も決めつけ癇癪持ち、でも汽車の中では人気者になったりする。母親はしょっちゅう気絶し話し出すと止まらない。妻は初めての子を身ごもりながら作業してしまう。そんなファンテ家の色濃い話に引き込まれていってしまう。カリフォルニアワインはふんだんにあり太った4匹の猫がいて父親の大工のセンスと腕は確か。ジョン・ファンテは信仰の喜びに浸ることはできなくとも新たな生への深い感動は父親と共にできる。

  • mincharos

    江國さんが「物語のなかとそと」のあとがきで絶賛していた本。うーん、翻訳物はやっぱりちょっと苦手。面白くなかったわけじゃないけど、若干とっつきにくかった。でも男孫を異常なまでに欲する父と主人公の対立は面白く読めたし、列車の旅での父親の振る舞いによる周りの人たちの反応も、ほんと悪夢。最後の出産のシーンは私も自分の陣痛やあれこれの記憶が思い起こされて、じーーんとした。結婚するのも親になるのも、男性からしたらめんどくさいよねー。ちゃんと夫婦になるのも、ちゃんと親になるのも、それ相応に時間がかかるものなんだろうな。

  • ともっこ

    著者の自伝風フィクション。 頑固でクセのある父と妻に振り回される主人公が気の毒で面白い。 文章はユーモアのある軽いタッチで読みやすい。 優しく愛に溢れた父親の鬱陶しさが微笑ましい。 夫婦の物語でもあり、父とこれから父になろうとする息子の物語でもある。 「僕の父の匂いを嗅いだ、僕の父の汗を嗅いだ、僕の生の起源を嗅いだ。父さんの暖かな涙を感じた、男の孤独を感じた、あらゆる男の優しさを感じた、痛みと哀しみにまみれた生の美しさを感じた。」 ここの文章が好き。

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