ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ

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過去を売る男(仮)エクス・リブリス

ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090824
ISBN 10 : 4560090823
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

語り手は一匹のヤモリ。アンゴラの首都ルアンダで、フェリックス・ヴェントゥーラの家に棲みつき、彼の生活を観察している。フェリックスは人々の「過去」を新しく作り直す仕事をしている。長年にわたる激しい内戦が終わり、アンゴラには新興の富裕層が生まれつつあるが、すべてを手にしたかに見える彼らに足りないのは由緒正しい家系なのだ。そんな彼らにフェリックスは、偽りの写真や書類を用いて新しい家系図と「過去」を作成して生計を立てている。ある日、フェリックスのもとを身元不詳の外国人が訪ねてくる。口髭を生やし、古臭い服装をしたその男は、「名前も、過去も、すべて書き換えてほしい」と頼み、大金を積む。フェリックスは悩むが、結局、ジョゼ・ブッフマンという新しい名前をはじめ、すべてを完璧に用意する。ブッフマンは大喜びし、以後、足繁く訪ねてくるようになる…。2007年度インディペンデント紙外国語文学賞受賞作。

【著者紹介】
ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ : 1960年、アンゴラのノヴァ・リスボア(現ウアンボ)でポルトガル・ブラジル系の両親のもとに生まれる。大学はリスボンに渡り、農学を専攻するが、文学に目覚め、ジャーナリストを経て作家となる。1989年にConjura(『まじない』)でデビューして以来、精力的に作品を発表。2004年に刊行された本書は、英訳The Book of Chameleonsが2007年度インディペンデント紙外国文学賞を受賞。2012年に刊行された『忘却についての一般論』(白水社刊)は、ポルトガル国内で翌2013年のフェルナンド・ナモーラ文芸賞を受賞。英訳A General Theory of Oblivionは2016年度国際ブッカー賞の最終候補作に選ばれ、2017年度国際ダブリン文学賞を受賞した。現代アンゴラのみならず、ポルトガル語圏諸国を代表する作家と目されている。作品はこれまで25の言語に翻訳されている

木下眞穂訳 : 上智大学ポルトガル語学科卒業。2019年、ジョゼ・ルイス・ペイショット『ガルヴェイアスの犬』(新潮クレスト・ブックス)で第5回日本翻訳大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヘラジカ

    ほぼワンシチュエーションでそれほど長い物語ではないのにとても豊かな作品。二時間かからず読み終えたように思うが、最後の章では寂しい気持ちで一杯になった。国家の歴史、個人の記憶について思いを馳せてしまう一方で、四人の登場人物(と一匹)が綾なすコンパクトな物語にも驚かされ、魅了された。この作家は稀代のストーリーテラーだ。先に邦訳された『忘却についての一般論』と同じく、多くの読書家の心を鷲掴みにするに違いない一冊。もっともっと読んでいたかった。それこそ、倍のボリュームがあっても良いのにと思ってしまう。

  • もぐもぐ

    アンゴラの首都ルアンダで「過去を売る」商売をするフェリックス。家系図を作り、祖先の写真を用意し、新たな経歴を生み出す。彼の家に棲みつくヤモリの語りで紡がれるちょっと幻想的な話だったが、終盤びっくり展開。アンゴラの辿った歴史を少しだけど調べて読み返したら別の情景が見えてきました。土地に深く紐づく物語。知ることは大事と改めて実感。アンゴラについてもう少し勉強してから再読したい。

  • ぽてち

    図書館の新着で見つけて何気に借りた本。アンゴラ文学を読むのは初めてだ。……というより、アンゴラってどこ?(笑) そのアンゴラを舞台に、依頼者にまったく新しい“過去”を創り上げる商売をしているアルビノの黒人と、彼の家に棲み着いた1匹のヤモリが語る奇想天外な物語だ。このヤモリ、人語を解するうえ笑うこともできる。あまつさえ、人の姿をとって夢の中に現れることもある。その正体は実は……。アンゴラの地理や歴史をまったく知らないのでストーリーを追うことしかできなかったが、なんともいえない奇妙な世界を堪能した。

  • ちえ

    語り手はヤモリ、どうも前世があるらしい。40年に渡る激しい内戦終了後のアンゴラの首都ルワンダでフェリックスは〈フェリックス・ヴェントゥーラ お子さんたちによりよい過去を保証しませんか〉という名刺を作り、人々の「過去」を新しく作り直す仕事をしている。そこに名前も過去も全て作って欲しいという白人がやってくる。この男は本当は誰か、目的は。ヤモリのエウラリオが観ているフェリックスの日常、夢で出会う二人(一人と一匹?)、短い章の連なりが心地良い。日本も例えば戦後の混乱期には「過去」を作る仕事もあったかもしれないな。

  • ケイティ

    語り主が前世人間だった記憶を持つヤモリ、主人公のフェルナンデスは富裕層の過去を作り変える仕事をするアンゴラ文学、と設定だけでユニークさ盛りだくさん。軽妙で掴みどころのない文章だが、内戦の傷跡も潜み、哀愁とユーモア、どこか人間くささも感じさせる。詩的な表現もあいまって、奇妙で幻想的な雰囲気が漂いながら、入念に作りこまれた展開が秀逸でした。

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