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甘さと権力 砂糖が語る近代史 ちくま学芸文庫

シドニー・w・ミンツ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480510488
ISBN 10 : 4480510486
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

われわれが生きている社会や文化は、どのようにして形成されてきたのだろうか。その問いに砂糖を素材にして明確に答えたのが本書だ。世界中の人々にとってなくてはならないものとなった砂糖は、世界最初期の工場生産物として生産され、その収益が産業革命を引き起こす大きな要因となり、かつまた労働者の栄養源ともなって工業化を支えた。それと同時に人々の嗜好はこの甘さによって大きく変わり、社会も劇的に変わっていく。しかしその一方で砂糖生産国は、世界商品となった砂糖に隷従する道を運命づけられることになる。モノを通して世界史を語る先駆けとなった世界的名著を、ついに文庫化。

目次 : 第1章 食物・社会性・砂糖(主食=中心と薬味=周辺/ ヒトは甘党か?)/ 第2章 生産(砂糖はコーランに従う/ 新世界の先駆者スペイン ほか)/ 第3章 消費(砂糖の用途/ 特権階級の香料 ほか)/ 第4章 権力(消費の拡大と権力/ 砂糖をめぐる諸勢力 ほか)/ 第5章 食べることと生きること(現代社会の消費とアイデンティティ)

【著者紹介】
シドニー・W・ミンツ : 1922‐2015年。アメリカの人類学者。イェール大学、ジョンズホプキンス大学で教壇に立った。主にカリブ海域を調査対象とした研究は、世界中の歴史研究者、経済史研究者に影響を与え、今なお先駆的な研究として支持されている

川北稔 : 大阪大学名誉教授。専門はイギリス史

和田光弘 : 名古屋大学文学部教授。専門はアメリカ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 佐島楓

    翻訳書特有の読みにくさがあって、苦戦した。砂糖・茶などの嗜好品が普及してきた歴史を、イギリスを中心に読み解いている。一章分丸々プランテーション、つまり奴隷労働の歴史で、彼らの犠牲なくしてスイーツの発展がなかったことが次の章で示唆される。現在でも搾取の構造は変わっていない部分があると思うので、非常に複雑な気分になった。人類の歴史は欲望の歴史でもあるのだと。

  • skunk_c

    訳者の川北稔が羨望を込めて絶賛する、人類学者による砂糖の生産、消費、そして権力との関わりからみた壮大な資本主義発達史だ。カリブのサトウキビ畑の奴隷とイギリス産業革命期の労働者がつながっているという、エリック・ウィリアムスの命題をこれだけ丁寧に解きほぐした書を読んだことがない。随所に人類学的アプローチがあるため、歴史学者の本とはひと味もふた味も異なる。話題は現代(1980年代)にまで及び、食事の仕方の変化(家族が別々にとる、間食など)と添加物としての砂糖の関連まで論じられる。刺激的で読み応え十分だった。

  • ヒナコ

    文化人類学者による、砂糖にまつわる歴史書。 本書は、よるある「○○の歴史」というタイトルが冠された豆知識をあつかう新書ではない。というのは、本書は、近世から近代にかけて大英帝国内で完成した砂糖の生産と消費と、その生産―消費システムが英国社会を大きく変化させ、産業革命以後の社会システムを生み出す大きな要因の一つになったことを扱っており、単なる砂糖に関する生活史的考察を超えた、非常にダイナミックなものだからである。→

  • MUNEKAZ

    プランテーションでの砂糖の大量生産・大量供給が、近代社会に与えたインパクトを様々な角度から検証する一冊。読みどころは、やはり第2章の「生産」に関する部分かな。ヨーロッパに先駆けて新大陸で行われた「プロト工業化」として、砂糖生産を扱っている。まぁこの辺の議論がピンとこなくても、砂糖と人類の歴史的な関係が人類学の見地から書かれているので、単純に砂糖にまつわるトリビア本としても楽しめる。オチの現代社会(刊行時のね)を扱った章は、なんとなく学部生時代に読んだ社会学の本を思い出したり。面白いです。

  • 人生ゴルディアス

    長い。長すぎる…。表題の砂糖と国家権力のところは、正直何を言っているのか全く分からなかった。1970年代当時に皆が前提していた問題意識があったうえでの革新的な議論だったのだろうか? 砂糖を巡る植民地経営の歴史・文化史についてはよろしかったが、やはり長い…3分の1に収められたのではないかと思います。砂糖と同時期に流行したラム酒やコーヒーは宗教界から目の敵にされたが砂糖だけは免れた、と言うのは面白かった。また植民地経営は資本主義経営の元祖なのではないか? という指摘もまあわからなくもない。悪い本ではなかった。

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