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スペクタクルの社会

ギ・ドゥボール

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480087355
ISBN 10 : 4480087354
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2003
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「フィルムはない。映画は死んだ」と言ってのけるドゥボールにかかっては、あのゴダールさえ小市民的に見えてしまう。芸術に限らず、思想も政治も経済も、「専門家」に任せきりで、鷹揚にお手並拝見と構えているうちに、いやおうなく「観客」であるしかないどころか、大仕掛けな茶番劇のエキストラに動員されてしまいかねない。こんな世界のありようと疎外感の大元を、本書は徹底的に腑分けしてくれる。ほんとうに「何一つ欠けるところのない本」だ。マルクスの転用から始まるこの本は今日、依然として一個のスキャンダル、飽くなき異義申立てと「状況の構築」のための道具であり、武器であることをやめていない。

目次 : 1 完成した分離/ 2 スペクタクルとしての商品/ 3 外観における統一性と分割/ 4 主体と表象としてのプロレタリアート/ 5 時間と歴史/ 6 スペクタクルの時間/ 7 領土の整備/ 8 文化における否定と消費/ 9 物質化されたイデオロギー

【著者紹介】
ギー・ドゥボール : 1931‐94年。フランスの映画作家・革命思想家。57年、シチュアシオニスト・インタナショナル(SI)を結成、67年の『スペクタクルの社会』刊行により68年「五月革命」の先駆者と目される。72年のSI解散後は、イタリア・スペインの革命運動と関わりつつ映画製作・著作活動を行うが、病を得て自殺

木下誠 : 1956年鳥取県生れ。神戸商科大学教授。フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • zirou1984

    70年代発祥のパンク・ロックとはその形式をNYのグラム・バンドから、思想的根拠は68年のフランス5月革命から拝借した。その5月革命を準備したと言われる本書はマルクスの疎外論を中心に、資本主義社会において人々は資本が生み出すイメージによって規定され、生活の土台から彼らをいかに切り離しているのかを暴いていく。半世紀も前の本なのに、余暇と生活においてメディアの消費比率が高まる現代においてその重要性は一層増しているだろう。批判すら見世物として収斂される社会において、自らがカリカチュアとなることも抵抗の一つなのだ。

  • 白義

    マイナーだが、現代社会の原理論としては極めて重要な一冊。人間を自身の人生や世界から遠ざけ、疎外する社会の究極の形態としてのスペクタクル社会。そこでは物や商品に飽きたらず、それに付きまとうイメージや出来事そのものまで、映画や絶叫マシーンのように、人々に目眩を見せ、刺激を受けるだけの観客とするスペクタクルと化してしまう。そんな社会の諸相を、時間や都市、歴史と様々な側面から分析する語り口の、そのどれもが極めて本質的であり、ニュータウンの風景の貧しさを50年近く前にすでに指摘していたりする

  • 塩崎ツトム

    前半の社会主義に関する話が予備知識がないと難しすぎた。「スペクタクル(見世物)」。世界が人々を産業の歯車としてではなく消費者としても搾取するようになった結果。人々は永遠に続くハレの祭典に投げ込まれた。大衆の生活は円環から、終末へ向かって突っ走る直線的・歴史的なものとなった。その搾取性の中、そりゃ物質的豊かさが一旦達成されれば、少子化へと至るはずである。この搾取性の中、わたしたちはこのままスペクタクルの中で飼い殺しされるのか、それともマゾヒズム的冷笑に浸りつつ滅びを選ぶか?「高貴な自殺」以外の選択は?

  • しゅん

    文化と政治の枠を外すアクションを60年代に展開したシチュアニスト・インターナショナル(SI)の中心的理論書。マルクスの貨幣分析から資本の表象化・イメージ化を見出す議論。細かい論理展開は追えてない部分もあるけれど、ポストトゥルースや現代の貧困に至る問題までつながる話が展開されてることがわかる。断片として書かれてる意図をもっと知りたいと思う。SIの厳格さは連合赤軍を思わせる部分もあるのに、グダグダリンチの後者に比べて前者は限界のところでキッチリ解散する。この違いはなんなのだろう…

  • Ecriture

    ボードリヤール、リオタールと併せて読まれてきた古典。スペクタクルの起源という発想が既にしてスペクタクルなので、人間的な生を単なる外観として肯定するものとしてのスペクタクルからの解放を目指すという路線には注意が必要。しかし、新たなるプロレタリアートからの時間と領土の搾取についての話や、メディア論、スター論と多岐に渡る論考はどれも刺激的。支配者層の扱いが単一のスペクタクルっぽいところは自身のスター論がそのまま跳ね返ってきそうな気はする。

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