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Trustー絆 / わが人生 / 記憶にあること / 未来ー

エルナン・ディアズ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152102362
ISBN 10 : 4152102365
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
井上里 ,  

Content Description

1920年代、ニューヨーク。投資家ベンジャミン・ラスクは、冷徹無慈悲な読みでニューヨーク金融界の頂点に登り詰める。一方、妻のヘレンは社交界で名声をほしいままにするが、やがて精神に支障をきたす。一世を風靡した夫妻の、巨万の富の代償とは一体何だったのか―。こうして1937年に発表され、ベストセラーとなった小説『絆』。しかし、ここに描かれた大富豪夫妻には、別の記録も存在していた。『絆』への反駁として大富豪が刊行しようとした自伝『わが人生』。『わが人生』を代筆した秘書の回想録『追憶の記』。そして、大富豪の妻の死後発見された日記『未来』。夫妻を全く異なる視点から描く四篇を読み進めるうち、浮かび上がる真実とは…。ブッカー賞候補になり、カーカス賞を受賞し、2023年にはピュリッツァー賞を受賞。ニューヨーカー、タイム、エスクァイア他、多くの媒体のベストブックに輝き、オバマ元大統領も絶賛した、現代アメリカ文学の最先端が贈る長篇小説。

【著者紹介】
エルナン・ディアズ : 1973年、アルゼンチン生まれ。その後スウェーデンに移り、ニューヨーク大学で博士号を取得した。2017年に発表したデビュー作In the Distance(未邦訳)はピュリッツァー賞とPEN/フォークナー賞の最終候補となり、パブリッシャーズ・ウィークリーの年間ベスト10に選ばれた。2作目となる『トラスト―絆/わが人生/追憶の記/未来』はニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなり、カーカス賞を受賞、ブッカ一賞候補にもなり、2023年にはピュリッツァー賞のフィクション部門を受賞した。ニューヨーク在住

井上里 : 翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    物語好き(特に『藪の中』が好きな人)には琴線に触れる本だろう。関係者から幾重にも語られる事象や人物。だがどれ一つとして正しいとは言えない。何故なら、人間が見聞し、情報を選び抜いた上で書く以上、絶対に客観的な事など、あり得ないからだ。本書は4篇で構成される。一つ目は世界恐慌を引き起こしたと目される主犯とその妻との関係性をモデルに書かれた小説「絆」。それを軸に二つ目はその反論として記録された「我が人生」。口述筆記で書かれており、中断が入る事がしばしば。物語としては落第点が着く程の無粋で無味乾燥さが極まる代物。

  • ヘラジカ

    優れた文学の特質と言って思い浮かぶものの大半を備えた傑作である。タイトルの言葉に集約された確たるテーマ、非常に巧妙で独創的なプロット、それを肉付けをする強固なストーリーテリング等、感情的に揺さぶられる類の小説ではないが、読み進めるなかで何度も唸り声を上げてしまう程に精緻な作品だ。所謂”信頼できない語り手”の一歩先を行く複雑な構成が、読書の楽しみを生み出していると同時に、現実世界の女性の社会的存在感についても考えさせる。これぞ現代文学。「今何を読むべきか」と問われて、この長篇を挙げる読書家は多くなるだろう。

  • 星落秋風五丈原

    天性の才を持った男とその妻が栄耀栄華を極めるが、全て満たされたとは限らない。一世を風靡した夫妻の、巨万の富の代償が妻の精神崩壊だとでも言いたげな幕切れの、まとまった終わり方で、構成も良い。にも拘わらず、『絆』への反駁として、モデルとなった大富豪アンドルー・べヴルは自伝『わが人生』を刊行しようとした。美談で終わらせればよかったのに、なぜ?今度は秘書アイダの回想録『追憶の記』として登場する。秘書は現在作家となっており、中途半端な章や段落が散りばめられている、いかにも素人くさい『わが人生』に比べれば出来も良い。

  • ばんだねいっぺい

    装丁に惹かれて、予備知識もなく、読んでいくうちに仕掛けに夢中になって一気に読んだ。企みがある小説ではあるものの、それが力みなく自然に構成されているのが特徴かもしれない。ミステリー要素すらも人生という巨大なものへ飲み込まれていくのが、ある意味、ほっとした。

  • 特盛

    評価3.7/5。図書館で偶然手にし最初ノンフィクションかと。分厚いが他の積読本を差し置き一気読み。2023ピューリッツァー賞も納得。中身は、20世紀初頭に金融界に君臨する大富豪と、死んだ謎めいた妻を巡る、藪の中的物語。「過去の人生」なんてどこにも存在しないと考えさせられた。記憶はドップラー効果を起こし変わる。他者による伝記は妄想ですらある。後は絆/連帯についても印象的。共通利益に基づく似非連帯・目的が失われた後に残る無関心と競争。金融と文学は食い合わせ悪そうなのにうまく料理したなぁ。

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