ウィリアム・トレヴァー

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恋と夏 ウィリアム・トレヴァー・コレクション

ウィリアム・トレヴァー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336059154
ISBN 10 : 4336059152
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

〈ウィリアム・トレヴァー・コレクション〉(全5巻)刊行開始!
20世紀半ば過ぎのアイルランドの田舎町ラスモイ、孤児の娘エリーは、事故で妻子を失った男の農場で働き始め、恋愛をひとつも知らないまま彼の妻となる。そして、ある夏、一人の青年フロリアンと出会い、恋に落ちる――究極的にシンプルなラブ・ストーリーが名匠の手にかかれば魔法のように極上の物語へと変貌する。登場人物たちの現在と過去が錯綜し、やがて人々と町の歴史の秘められた〈光と影〉が浮かび上がり……トレヴァー81歳の作、現時点での最新長篇。

【著者紹介】
ウィリアム・トレヴァー : 1928年、アイルランドのコーク州生まれ。トリニティ・カレッジ・ダブリンを卒業後、教師、彫刻家、コピーライターなどを経て、60年代より本格的な作家活動に入る。65年、第2作『同窓』がホーソンデン賞を受賞、以後すぐれた長篇・短篇を次々に発表し、数多くの賞を受賞している(ホイットブレッド賞は3回)。英国デヴォン州在住

谷垣暁美 : 翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • しいたけ

    爽やかなアイルランドの森を流れる輝く川の水音。その音だけを従えスクリーンに映し出されているような、静かな物語。捨て子で修道院の施設で育ったエリー。使用人として農場に送られ、のちに農場主と結婚する。彼は自分が起こした事故で妻子を亡くした過去を抱えている。エリーには熱情がない。自らは何も求めない、淡々とした柔らかい生活。そしてある夏、青年と出会い初めての恋をする。人妻とは思えない、あまりに拙い清冽な思い。夫、青年はもちろん、登場人物全てに影のように張りつき痛みを伴う過去がある。大人の夏はほろ苦く、美しい。

  • ちゃちゃ

    夏の終わり、新しい旅行鞄に石を詰めて川に沈めた時、エリーは自らの意志で初めての恋にピリオドを打った。孤児として育ち農場に引き取られ、やがて農場主と結婚したエリー。穏やかで心優しい夫が抱える過去の痛み。彼を見棄てて恋人フロリアンとアイルランドを旅立つことはできなかった…。誰もが幻影のような過去を引きずりながら生き、そこから踏み出せないでいる。けれど不如意な生を受け入れて生きるのも人生なのだ。それぞれが抱える過去が何層にも重なり、アイルランドの短い夏に溶けていくように終わりを告げた恋、素晴らしい作品だった。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    アイルランドで紡がれる不器用なひと夏の恋。だけど男は愛しの従姉妹が忘れられずに傷心旅行に来た異邦人、女は捨て子で既婚者だった。孤独を埋められる人を見つけられたのにそれぞれの孤独が違うために孤独がどんどん、深くなる。でもそれに目を向けたくない。決して忘れられない辛さ、寂しさが丹念に濃やかに描かれている。かつて自分も妻のある男を愛して引き裂かれた経験のあるミス・コナルティーの独善さが痛々しくもなぜか、憎めない。でも「僕のことを忘れないで」なんて狡すぎる。そんなこと、言われたら相手は一生、忘れられないのに・・・

  • シュシュ

    アイルランドが舞台。孤児院で育ったエリーは、自分の過失で妻子を失った農夫のディラハンに雇われ、やがて結婚する。ある夏、エリーはフロリアンという若者と恋に落ちる。ディラハンの善良さ、寛容さ。若いエリーの清らかさ。孤児で恋を知らなかったエリーが恋に落ちてしまうことは責められない気がしてしまう。驚きの結末にとても満足した。トレヴァーってすごい。中年のミス・コナルティーも、なかなかの人物。没落したお屋敷の司書をしていた認知症の老人オープン・レンの居場所もあって、いいコミュニティーだなと思う。またいつか読みたい。

  • miyu

    短篇の名手の最新長篇。一つのチャプターが短く饒舌でもないが、充分に情緒溢れ余韻さえ感じる。本当に素晴らしく流石はトレヴァー。恋を知らない(と自分では思っている)女性が男としては何の取り柄もなさそうな見知らぬ若者を「この人なの!」と思い込んだ時の高鳴りが痛々しいが、そもそも恋なんてそんなもの。それを80を越したトレヴァー爺がさらりと臆面もなくしかし上品に書きあらわすことにまずは驚いた。語る視点は変わっても書くトレヴァーの思いは最後までまるでぶれない。暖かくもあり意地悪でもあり。いつもの彼のままで嬉しかった。

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