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ユドルフォ城の怪奇 下

アン・ラドクリフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784861828591
ISBN 10 : 4861828597
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

悪漢の魔の手を逃れ、故国フランスに辿り着いたエミリーは、かつて結婚を誓ったヴァランクールと痛切な再開を果たす。彼が犯した罪とはなにか―。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まふ

    強烈な印象の大悪人モントーニの城をあっさりと抜け出して舞台は南仏トウールーズのルブラン城へと。早々とモントーニ一味は殺されてしまったらしくちょっと拍子抜けする。その後は、ただ一人強く清らかなエミリーが最後まで頑張りぬき、亡父への異常な恋慕を募らせる女、その狂乱的な愛を受け止められなかった亡父、清らかな亡母への追憶、などを絡めた愛憎物語敵雰囲気となって終了する。わたし的にはモントーニに「もっと悪ささせてほしかった」と思うが、これぐらいが18世紀的にはちょうどよかったのだろうか?⇒

  • NAO

    エミリーの父親が死の病をおしてまで南仏に行きたがったのには理由があった。叔母に引き取られたエミリーがユドルフォ城に連れていかれ、さらに父親が亡くなった地に戻ってきたのは、すべて、それが宿命だったから。薄幸の美少女、恐ろしげな古城、そこで起きる怪異、宿命、とゴシックホラーの要素をてんこ盛りにして、でも波乱万丈ながら最後はハッピーエンドとなるラブロマンスもついている。出版当時は大ベストセラーとなったらしいが、あまりにもごちゃごちゃしすぎているし、なにより訳がひどい。

  • 星落秋風五丈原

    【ガーディアン必読1000冊】ユドルフォ城では伯母マダム・シェロンが亡くなる。ところで彼女は想像力が豊かで、城に捕虜がいると聞けば愛しいヴァランクールの声を聴いたような気がして落ち着かない。まだ死んでもいない伯母が「死んじゃったのかも!」と赤毛のアンばりに想像力を逞しくして、悪い方へ悪い方へと自分を追い込んでいく。父親から「自制心を持つように」と言われた事は、あっさりリアルな世界では忘れられたようだ。そこへもってきて侍女が城にまつわる幽霊話を聞かせるものだから、想像力の暴走がどうにも止まらない。

  • ROOM 237

    上巻から煙に巻かれた数々の謎や疑問点が下巻に入り更に追加で混迷を極め、メモと相関図を書きながら無事読了。国を跨いで次々お城と大自然の中を移動しまくる様子が最早、ご令嬢と行く16世紀ゴシックロードノヴェルの旅状態。パカラッ。胃潰瘍寸前の悲劇の連続をサバイヴする主人公エミリーの逞しさと慈善心が陽なら、陰は彼女を苦しめた者達の良心の呵責という生きながらの煉獄。信頼の回復という難しいミッションに挑む人、機密事項を速攻で漏らす侍女達、噂の独り歩きなどの人間味に溢れるゴシック作品で大満足でした。

  • 内島菫

    ユドルフォ城とルブラン城という、二つのゴシック様式の廃城だった場所で起こる怪奇現象は、すべて生きた人間のなせる技だと解明されるが、おそらくこうしたオチはあまり重要ではないだろう。ユドルフォ城のかつての女主人の失踪や、ルブラン城主夫人の変死がこれらの「テラー」(ラドクリフ自身が述べているという意味での、「ホラー」と区別された「テラー」)を下支えし、さらに城とそこに至るまでの自然の峻厳な山々とが、層になってゴシック小説の世界観を盛り上げている。

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