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富豪に仕える 華やかな消費世界を支える陰の労働者たち

アリゼ・デルピエール

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784794812506
ISBN 10 : 4794812507
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

億万長者の邸宅、それは親密さと搾取が同居する迷宮。使用人とその主人への綿密なインタビューを通じて両者の複雑で矛盾に満ちた関係を明かす社会学の冒険。

目次 : 第1章 使用人の夢/ 第2章 富豪の望み/ 第3章 いい相手/ 第4章 身体から仕事へ/ 第5章 搾取する権利/ 第6章 とどまるか、去るか

【著者紹介】
ダコスタ吉村花子 : 翻訳家。明治学院大学文学部フランス文学科、リモージュ大学歴史学DEA修了。18世紀フランス、アンシャン・レジームを専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • sayan

    「覗き見」した著者の目に映った富豪と使用人の世界は露骨な搾取/差別関係に終始しない。その事は著者が導出する「ゴールデン搾取」概念を手掛かりに誰が誰の「剰余価値」を搾取するのか、現実の在り様は廓然無聖を彷彿する。マルクス経済学に挑戦、そんな示唆を楽しむも本書の魅力。表紙絵から「家政夫(婦)の(は)」的なドラマを想起するも「ダウントンアビー」が近似。現代舞台では使用人が富豪の社会的立場のパッケージに苦しみ、時に主従関係が逆転する姿、また使用人自身が雇用主に自身を投影し満足感と恍惚感に浸る姿は異様な迫力がある。

  • くさてる

    最初のうちは、富豪の生活を支える現代の使用人のプロフェッショナルな働きと豊かな生活……という感じで読んでいたのだけど、その実相が明らかになっていくにしたがって、これは現代の奴隷制、或いは過去からの身分制が持続しているだけではないかという気分にすらなってしまった。貧富の差が生み出す歪み、といえばそれまでかもしれないけど、やはりこれはちょっと。あまりにも。日本でも住み込みの家政婦の方が過労で亡くなった事件があったはずですが、21世紀の現代欧州に存在する搾取の構図にめまいがしました。お勧めです。

  • きみどり

    特殊な職場のゴシップ的内幕ものかと思いきや、作者はジェンダーや人種、社会階級を研究する社会学者であり、本書はその博士論文だったそう。富豪たちからの高額報酬やプレゼント、家族同様の扱いと引き換えに、ワタクシ24時間戦えますを差し出さねばならぬ。やはり「アットホームな職場です!」は万国共通にブラックということなのね...。さらにそこに人種問題や性差別問題まで絡んでくる。中盤以降は読んでいて苦しくなってしまった。『ダウントン・アビー』を観る目が変わる。

  • hitomi

    読友さんのレビューを読んで。フランスや欧州の富豪と、彼らにフルタイムで仕える使用人へのインタビューを軸に、労働や格差などの問題を掘り下げた好著。著者自身も富豪宅でナニー(子供の世話係)として働いた経験を持つそうです。移民や女性差別、貧困といった問題が背景にあり、現代の奴隷としか言いようがないケースもあります。富豪たちは節税や法律に詳しいため、どうしても使用人は立場が弱くなってしまいます。法で守られることがなく、気が休まることもなく、富豪にいいように使われる使用人たちが多く、悲しくなってしまいました。

  • 著者の博士論文をもとにした、大富豪とフルタイムで大富豪に仕える人々にスポットライトをあてた本。フランスの給与の中央値の十倍を稼ぐ執事がいる一方、法定最低賃金の三分の一で一日一八時間働かされる使用人もいる。褒め言葉、ボーナス、プレゼント、住居、食事、医療費などが支給されるかどうかは、雇用主である大富豪によりけりだ。対照的な人物へのインタビューから、持てる者と持たざる者の隠れた本音が暴露される。

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