自身も2.5次元歌い手として活躍するちぐさくんが手掛けるアイドルたちの物語のコミカライズ版です。 元のアニメも某動画サイトに上がっていて、今も全編視聴することができますが、そんなアニメとはまた違った表現方法で『男子高校生は前途多難！エピソードゼロ』（通称ダンゼロ）の世界が描かれており、ダンゼロに初めて触れる人はもちろん、アニメを観たことがある人でも楽しむことができるのが大きな魅力かなと思います。 アニメにはある声や動き、色がない分、漫画でしかできない表現の工夫がたくさん詰まっているなぁと感じました。 個人的には、キャラクターの表情や、散りばめられた小ネタなどを自分のペースでじっくり見ることができるところが好きです。 また、巻末のおまけでは、ちぐさくんが書き下ろした小説が楽しめます。 ちぐさくんが書いた小説を読むことができるのは現時点ではこの本のみなので、これだけでも買う価値があると私は思いました。 小説では、本編中で脇役だったり、敵対するようなポジションだったりした二人のキャラクターのちょっと先の未来を見ることができます。 どちらも希望が感じられる暖かいものなので、今自分が進む道が見えなかったり、迷っている人に届いてほしいなと個人的には思います。 本編もおまけの小説も、アニメとは違った楽しみ方ができる素敵な一冊でした。