新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年 中公新書

熊倉潤

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027009
ISBN 10 : 4121027000
フォーマット
出版社
発行年月
2022年06月
日本
追加情報
:
251p;18

内容詳細

中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区。中国全体の6分の1ほどの面積に、約2500万人が暮らす。1955年に自治区が成立した当初、中国共産党は少数民族の「解放」を謳った。しかし習近平政権のもと、ウイグル人らへの人権侵害は深刻さを増している。なぜ中国共産党は、多くの人々を「教育施設」へ収容するといった過酷な統治姿勢に転じたのか。新疆地域の歴史を丁寧にたどり、その現在と未来を考える。

目次 : 序章 新疆あるいは東トルキスタンの二千年/ 第1章 中国共産党による統治の始まり 1949〜1955年/ 第2章 中ソ対立の最前線として 1956〜1977年/ 第3章 「改革開放」の光と影 1978〜1995年/ 第4章 抑圧と開発の同時進行 1996〜2011年/ 第5章 反テロ人民戦争へ 2012〜2016年/ 第6章 大規模収容の衝撃 2016〜2021年/ 終章 新疆政策はジェノサイドなのか

【著者紹介】
熊倉潤 : 1986年、茨城県生まれ。2009年、東京大学文学部・歴史文化学科(東洋史)卒業。2011年、東京大学大学院法学政治学研究科(旧ソ連政治史)修士課程修了。同研究科(国際政治)博士課程在学中の2012年から2016年にかけて、イェール大学、ロシア人文大学、北京大学に留学。2016年、同博士課程修了。日本学術振興会海外特別研究員・政治大学(台湾)客座助研究員、アジア経済研究所研究員を経て、2021年から法政大学法学部国際政治学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • absinthe さん

    最近浮き彫りになったウイグル問題を、漢の時代から現代にかけて歴史を交えて語る本。人物名がとても多いので、中国史を知らなかったabsintheは、すぐに名前がごっちゃになった。大した情報量で、東トルキスタン独立運動など重要な項目を開設する。「親戚」という漢人のスパイが各家庭に一人割り当てられ、反中華的な思想が見だされたら強制収容所に送られてしまうという現実。この親戚による狼藉が問題になっている。

  • ばたやん@かみがた さん

    《客観的記述が浮き彫りにする民族問題の真実》『史記』の頃から民国までの東トルキスタンの歴史も簡単になぞりながら、中国共産党支配下に置かれたここ70年の同地についての通史です。最近、米中対立のホットな争点となっている同地域ですが、著者はあらゆる政治的立場から離れて第三者として客観的記述に徹したと言っています。それだけに、問題や登場するアクター達の本質がより浮き彫りになっていると感じます。 (1)まず、統治者である中国共産党の革命政党としての本質とそれが新疆問題に持つ意味です。(1/6)

  • skunk_c さん

    若手の研究者が今中国における民族問題の焦点となっている地域について、その歴史的成り立ちと共産党による統治・支配の歴史を丹念に叙述した本。研究者らしく冷静かつ丹念に、ある意味淡々と史実を上げながら、現代の民族対立に至った過程を詳らかにしている。興味深かったのはウイグル人の不満分子らによる反発が激化する中、9.11が起こり、中国の「反テロ」弾圧にある意味正当性が与えられたあたりの事情。また習近平時代にはっきりと同化政策に舵が切られるが、中国側の立場がウイグル人の抹殺(ジェノサイド)ではなく同化だということ。

  • syaori さん

    中国共産党下の新疆の歴史を概観する本。伝統的にはイスラム世界に属し、ロシア(ソ連)の影響も強い新疆の「中国化」が、監視の強化や強制収容に至るまでの過程が現地ムスリム・漢人・政権側の立場を顧慮した中立的な視点から辿られます。ここから露わになるのは、「ウイグル人の尊厳」を求める現地ムスリムに対し様々な配慮はすれど、それにより彼らが「まっとうな中国人に生まれ変わる」ことを求めてきた歴史で、近代国民国家は”想像の共同体”であり共通の物語によって醸成される面もあるのですが、それを強制的に行うことの怖さを感じました。

  • 活字の旅遊人 さん

    あとがきによると、このエリアを扱った手軽に読める本は今までなかったらしい。敦煌より西のエリア。まさに西域。いろいろな経緯で中華人民共和国に属しているのだが、周りの「スタン」国家たちがソ連崩壊で独立したあとも、その中にいることを余儀なくされている。これ、すごい明暗だよなあ。中共もかつては民族性を重んじていたからこその「自治区」なんだろうけど、昨今はかなり締め付けているのだろう。欧米基準を世界中に適用する必要はないはずだが、全員テロリストの可能性があるかのごとき扱いでの監視や教育は間違いなくやり過ぎだな。

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熊倉潤

1986年、茨城県生まれ。2009年、東京大学文学部・歴史文化学科(東洋史)卒業。2011年、東京大学大学院法学政治学研究科(旧ソ連政治史)修士課程修了。同研究科(国際政治)博士課程在学中の2012年から2016年にかけて、イェール大学、ロシア人文大学、北京大学に留学。2016年、同博士課程修了。日

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