基本情報
内容詳細
大学で教鞭をとり、作家でもあるセルヒオ。彼は、学会に出席するためスロベニアの首都リュブリャナを訪れる。そこで、イゴールという美しい青年と知り合い、彼との情事に溺れていく。そして滞在先の部屋で発見した数々の染み―。この2つの事象が、セルヒオを戦慄の真実へと導いていく。2021年にオフ・ウエストエンド新作賞(ロンドン)を受賞。『テーバスランド』(2019年北隆館刊行)に続く、待望の邦訳第2作である。本作で語られるギリシャ神話に出てくるナルキッソスとその眼差しについての、著者セルヒオの独自の詩学。「ナルキッソスの眼差しとは、自分自身への眼差しでありながら、他者を探求するものである」。自分とは、他者の眼差しを通して存在する。自分を見つめる時に、他者からの問いかけが常にある。自分自身への探求を通して、他者との関りをもつ。つまり、新たな他者に出会うのだ。そして、本作は著者セルヒオ・ブランコが織ります、リアルと虚構が交差する世界(オートフィクション)を、最後の頁までスリリング堪能するものとなっている。
【著者紹介】
セルヒオ・ブランコ : 1971年12月30日モンテビデオ(ウルグアイ)生まれ。大学で文献学、演劇学を専攻。1993年にパリのコメディーフランセーズにて演出論を学ぶ。1998年以降はパリを拠点に主に劇作家として活動。戯曲は国民演劇賞(ウルグアイ)、フロレンシオ最優秀劇作家賞(ウルグアイ)、カサ・デ・ラス・アメリカス戯曲部門特別賞(キューバ)、最優秀戯曲賞(ギリシャ)など様々な賞を受賞している。また2017年には『テーバスランド』がオフ・ウエストエンド最優秀製作賞、2021年には『ナルキッソスの怒り』が、オフ・ウエストエンド新作賞を受賞
仮屋浩子 : 明治大学教員・Ra´ices Teatro主宰。スペイン語圏演劇の研究をする傍ら、スペイン語戯曲の翻訳、上演を手掛ける。近年は、2018年、アリスティデス・バルガス作『雲の上の聖母』を原語で上演(共同演出・主演)、翌年2019年同劇作家の『プラムの熟すとき』を日本初演(翻訳・集団創作・出演)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
セルヒオ・ブランコ
1971年12月30日モンテビデオ(ウルグアイ)生まれ。大学で文献学、演劇学を専攻。1993年にパリのコメディーフランセーズにて演出論を学ぶ。1998年以降はパリを拠点に主に劇作家として活動。戯曲は国民演劇賞(ウルグアイ)、フロレンシオ最優秀劇作家賞(ウルグアイ)、カサ・デ・ラス・アメリカス戯曲部門
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