【中古:盤質AB】 Underground Kingz

ヒップホップ･アルバムでここまで黒さを聴かせてくれる作品はそうそう無い。全体に漂うブルージーで琥珀色を放つUGKワールドは、絡みつくような高い声のPimp Cと重く説得力のあるBun Bの二人のラップが共存することによりいっそう完成度が増す。プロデュースの殆どはPimp Cが手がけているが、Juicy J とDJ Paul(Three 6 Mafia)によるソウルフルで幸福感の満ちた「Int'l Players Anthem」や、Scarfaceが手がけたToo $hortの名曲リメイク「Life Is 2009」、Lil Jon制作のロッキッシュな「Like That」、DJ B-Boeによるフロアバンガー「Grind Hard」、The Runnersの地響きがなりそうなブッ太いビートの「Take Tha Hood Back」、コミカルさと哀愁さが同居したJazze Phaならではの「Tell Me How Ya Feel」、Marley Marl、Kool G Rap、Big Daddy Kaneらオリジネーターが集結した「Next Up」まで様々なタイプのプロデューサーを起用した上、ゲストにOutKast、Charlie Wilson、Slim Thug、Rick Ross、Z-Ro、Dizzee Rascal、Talib Kweli、Raheem Devaughn、T.I.らを豪華絢爛なアーティストをフィーチャー。しかし、ここまでのメンツを揃えながらも、あくまでUGKの個性は貫かれており、2枚組というボリュームも全く気にならないところにこの2人の凄さがある。