Breaking Waves -Grace Williams, Grazyna Bacewicz, Johanna Muller-Hermann : Malin Broman / Ostrobothnian Chamber Orchestra (Hybrid)

砕ける波〜弦楽のための作品集

異なる国籍を持つ3人の女性作曲家の弦楽のための作品を集めたアルバム。
　グレース・ウィリアムズ[1906-1977]はウェールズ生まれ。カーディフ大学とロンドン王立音楽大学で学び、ウィーンではエゴン・ヴェレシュに師事、ワーグナーやマーラーの影響も受けながらも独自の作風を確立しました。第二次世界大戦中に健康を崩し、一時は作曲をやめることも考えた彼女ですが、戦後に故郷に戻り、作曲と教育活動を続けました。『海のスケッチ』は彼女の代表作のひとつで、故郷グラモーガンシャーの海岸にインスピレーションを得た5楽章からなる作品です。
　ポーランドのグラジナ・バツェヴィチ[1909-1969]は作曲家・ヴァイオリニスト・指揮者として活躍。ワルシャワ音楽院とパリで学び、戦後も創作を続けました。弦楽四重奏曲を7曲作曲し、なかでも第4番は特に有名で、民族的要素と親しみやすい新古典主義的語法が特徴の3楽章構成で書かれています。今回は弦楽オーケストラ編曲版（M.ファン・プローイエン編）で演奏されます。
　ヨハンナ・ミュラー＝ヘルマン[1868-1941]はツェムリンスキーに師事し、20世紀初頭のウィーンで活躍した女性作曲家。唯一の弦楽四重奏曲はツェムリンスキーに献呈され、半音階的な和声と後期ロマン派の緊張感ある語法が印象的です。
　オストロボスニア室内管弦楽団（OCO）は、1972年にユハ・カンガスによって設立され、1989年からプロとして活動。現代フィンランド音楽に注力し、200作以上の新作を初演、80枚以上の録音を発表しています。2019年より芸術監督を務めるマリン・ブロマンは指揮者・ヴァイオリニストとして国際的に活躍し、ノーベル賞授賞式でも演奏経験を持つ実力派です。（輸入元情報）

【収録情報】
1. G.ウィリアムズ：海のスケッチ（1944）〜 弦楽オーケストラのために
　I. High Wind. Allegro energico
　II. Sailing Song. Allegretto
　III. Channel Sirens. Lento misterioso
　IV. Breakers. Presto
　V. Calm Sea in Summer. Andante tranquillo

2. バツェヴィチ：弦楽四重奏曲第4番（1951）〜ファン・プローイエン編、弦楽オーケストラ版 2023
　I. Andante - Allegro moderato - Allegro energico
　II. Andante
　III. [Allegro giocoso]

3. ミュラー＝ヘルマン：弦楽四重奏曲変ホ長調 Op.6（1908-1910）〜カルコフ編、弦楽オーケストラ版 2022
　I. Moderato. Ruhig fliesend
　II. Allegro vivace. Mit kraftvollem Ausdruck
　III. III. Adagio. Mit grostem Ausdruck
　IV. Allegro con spirito. Nicht zu schnell

　オストロボスニア室内管弦楽団
　マリン・ブロマン（リーダー＆芸術監督）

　録音：
　2024年8月2,3日　Musiikkikeskus Snellman, Kokkola（1）
　2024年7月25,26日　Musiikkikeskus Snellman, Kokkola（2）
　2024年5月15-17日　Schauman Hall, Jakobstad (Pietarsaari)（3）

　世界初録音（2）
　SACD Hybrid
　CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND
　BIS ecopak