Steve Vai

Steve Vai (スティーヴ・ヴァイ) プロフィール

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常人とはかけ離れたそのトリッキーなギター・プレイ、情感あふれるメロディ・センス…すべてを兼ね備えたギタリスト、スティーヴ・ヴァイ――――― この企画での順位こそ62位と下位に甘んじているものの、(あくまでも推測だが)おそらく世界中のギター・キッズから一番リスペクトと支持を集めているギタリストなのではないだろうか。

スティーヴ・ヴァイは1960年、6月6日アメリカはニューヨークのロング・アイランドで生まれた。最初に楽器を手にしたのは6歳のとき。その楽器とはオルガンであったという。その後アコーディオンも弾いていたというが、肝心のギターはそれより少し遅れて13歳からギターを始めた。この頃の彼のヒーローはレッド・ツェッペリンジミー・ペイジ。 後のヴァイのプレイに反映されている緻密で精密なアレンジや行き届いた構成はジミー・ペイジからの影響が少なからずあると言えるだろう。

デビュー前のヴァイは「マンハッタン・エクスプレス」、「サーカス」なるバンドでギタリストとして活動し、そこそこの注目を浴びるが更なる飛躍を遂げるのはもう少しあとの事である。ボストンにあるバークレー音楽院に入ったヴァイはメキメキと音楽の才能を開花させてゆく。ハイスクール時代にも音楽科を専攻していた為、人並み以上の能力が身に付いていたのは当然だが、ここでの飛躍的な成長がフランク・ザッパとの師弟関係に繋がってくるのである。

ヴァイの長けた聴音能力は音楽業界でもちょっとした話題となり、あるツテからフランク・ザッパの作品の採譜者として採用されるのであった。これを切っ掛けにザッパの81年発表のライヴ・アルバムTinsel Town Rebellionにギタリストとして参加する事になる。これを皮切りにYou Are What You Is、黙ってギターを弾いてくれ(Shut Up 'n Play Yer Guitar)たどり着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船(Ships Arriving Too Late To Save A Drowing Witch)Man From Utopia奴らか?俺たちか?(Them Or Us)Thing FishMeets Mothers Of PreventionJazz From HellGuitar…と数多くのザッパの作品でプレイをしている。ギタリストとしては後年活動からか、一般的にはハードロック/ヘヴィメタルのイメージが強いヴァイだが、ここで培われた変態さは後の個性として生きてくる事になる。

スティーヴ・ヴァイがソロのアーティストとしてデビューしたのはザッパがツアーを辞めた年にあたる1984年、自宅のスタジオでレコーディングされたフレクサブル(Flexable)がそれである。ザッパ譲りのフリーキーでマニアックな音の響き、しかし同時に美しさも兼ね備えたこのアルバムでヴァイの名は一躍、世界に知れ渡った。

そしてここで彼の歴史の上でエポックとなる出来事が起こる。元レインボーのヴォーカリスト、グラハム・ボネットのバンド、アルカトラスイングヴェイ・マルムスティーンの後任として参加するのである。彼の非凡な才能からしてみれば当時ヘヴィ・メタル界で屈指の技巧派ギタリストであったイングヴェイのプレイとて、同じようにそれをなぞる事など他愛もない訳で。そこでヴァイがうってでたのはイングヴェイとは全く違うプレイ・スタイルで(主にタッピングが主体)当時のライヴのステージに立つという事であった。しかしイングヴェイ脱退が余りにも急だった為それを知らないアルカトラスのステージを身に来た観客は、ヴァイに向かって「誰だ、お前?」と罵声を浴びせ、更には物を投げつけていたと言う。今から考えると恐ろしい話だ。85年のアルカトラスのメンバーとしての初の録音作品Disturbing The Peaceではステージ以上にいい意味でやりたい放題。既にバンドの主導権を握ってしまった感さえある!ここでヴァイへの評価は確固たるものとなり、テクも理論も備えた万能ギタリストとしてイングヴェイと同等かそれ以上の名声を得るのであった。

次にヴァイに白羽の矢を立てたのは当時ヴァン・ヘイレンを脱退したばかりのデイヴ・リー・ロス。この当時きっての伊達男デイヴが「いっちょ派手にやるかぁ!」と集めた面子だけに、デイヴヴァイビリー・シーンの3人がフロントにいるステージはとんでもなくゴージャス!しかしこんな凄まじい面子が長続きするはずもなく、Eat 'em And Smileに続くSkyscraperであっさりと、この面子は終了。

フレクサブルに続くソロ・アルバムの構想に取り掛かる矢先、ホワイトスネイクから加入のオファーが舞い込む。当時のホワイトスネイクのギタリストであったエイドリアン・ヴァンデンバーグの脱退の穴を埋めるべくしての話であった。人がいいのか、断れない性格なのか、これを受け入れたヴァイは、89年Slip Of The Tongueから正式なメンバーとしてホワイトスネイクに加入。ツアーにも同行するがツアー終了と同時にバンドを脱退している。

そして1990年、6年振りのセカンド・ソロ・アルバムにして、ヴァイの最高傑作としての誉れ高いパッション&ウォーフェアー(Passion And Warfare)がリリースされる。この作品は子どもの頃から書き溜めていたという夢の記録に一貫したストーリーを持たせ、音楽として具体化したものであるという。テクニカルかつエモーショナルなギター・プレイは唯一無比の個性を放っている。

93年にはVai名義でセックス&レリジョン(Sex & Religion)をリリース。これまでのソロはインスト・メインであったが、ここでヴァイデヴィン・タウンゼント(Vo&G)という素晴らしい才能を発掘し、世に送りだしている。このデヴィン・タウンゼントという男が相当な曲者でヴァイザッパの血を受け継いだ変態サイドをうまく引き出す事に成功している。この作品はギター・アルバムとして楽しむことも当然出来るが、強烈な個性がぶつかり合う様はスリリングな事この上ない!もし変態という2文字に引っかかったならば、是非とも一聴をおすすめする。その後エイリアン・ラヴズ・シークレット(Alien Loves secrets)ファイアーガーデン(Fire Garden)ウルトラ・ゾーン(Ultra Zone)セブンス・ソング(7th Song)等をリリースしている。いずれも個性的でギター・キッズならば必携の作品と言えるだろう。

ここでヴァイが使用するギターについて触れてみたいと思う。ヴァイの愛器といえば、アイバニーズのヴァイ仕様モデル、JEMシリーズが定番となっている。ヴァイのギターの特徴といえば「モンキー・グリップ」。ピックアップの上に空いた握り跡のついた(?)空洞がそれである。音的にはこれといった効果をもたらすものではないが、見た目のインパクトは抜群。ヴァイのトレードマークと言えるだろう。

ザッパから学んだ自由奔放な音楽性、ジョー・サトリアーニから学んだギターのいろは。そして己で育んだオリジナリティ。いま世界を見渡してもここまで進化したギタリストはヴァイくらいのものであろう。

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