これはスティブン・スティルスの最高傑作だと思います。自分にとって、スティブン・スティルスは、ソロ・デビュー以来ずっと追い続けている数少ないアーチストですが、1972年に発表されたこのアルバムが、彼にとっての最高傑作であり、その後、この作品を超えることはできませんでした。マナサスというバンドは、スティルスの音楽を演奏するために、気心の知れた仲間たちを集めたバンドでしょう。アナログで2枚組というボリュームで、ロックンロール、ラテン、カントリー、フォーク、ブルースと、幅広い音楽性をフルに披露しています。それでいて、アルバムトータルでは、一貫してスティブン・スティルスのグルーヴが支配しています。また大きなシングルヒットはないのですが「Rock and Roll Crazies」「Colorado」「So Begins the Task」「It Doesn’t Matter」「Johnny’s Garden」といった佳曲が並び、全体を通しても高いクオリティの曲が揃えられ、2枚組アルバムにもかかわらず一定のレベル以下の曲や演奏はひとつもなく、彼の絶好調ぶりが表われたアルバムです。