愛する

『あなたが愛する全てを、愛する』
2015年4月1日をもって結成10周年を迎えるSUPER BEAVER、新進気鋭のロックレーベル [NOiD] より大名盤フルアルバムリリース。

「自分らしさってなんだ?」ーーー冒頭からそんな一節をテーマに掲げ前作シングルにもなった M-2「らしさ」、その起源となる疑問を歌った M-1「誰か」で今作 は幕を開ける。シューゲイズ的な要素も含む三段構成のサビが印象的な M-4「結果論」や無骨なドラムフレーズから始まる M-8「言えって」SCANDALのMAMIがゲストコーラスで参加しているM-6「Q&A」や、M-7「おかげさま」での聖歌隊のようなコーラスワーク やリズムチェンジなど、各所でサウンドメイクやアレンジにおいても挑戦と進化を感じられる今作だが、全曲に共通して特筆すべきは 歌詞の圧倒的な深化だろう。「らしさ」のアンサーソングとも言えるM-3「証明」は《産まれて死ぬまで一人なのは / 誰も独りきりで は無いという「証明」》と結ばれており、緊急入院そして闘病を経験したGt.柳沢が退院後真っ先に制作しメンバーに聴かせた楽曲でも ある。これまでもSUPER BEAVERは見て見ぬふりをしがちな感情や、対峙すべき今を真っ正面から捉え救い上げるように歌ってきたが、今作ではより明確でシンプルに生々しくも温かい本当の言葉が紡がれている。そして、等身大でありながら今作の一つの核ともなったM-9「生活」の完成を経て、辿り着いたのが M-10「愛する」であり《あなた が愛する全てを/ 愛する》と歌った新たな決意だ。M-5「わたし」でVo.渋谷が綴るように、決して順風満帆とは言えなかった10年の歴史の中でも温かい手を差し伸べてくれた沢山の〈 あなた 〉へ、次は自分たちが手を差し伸べることを示したSUPER BEAVER。その思いを生み出したのは挫折や後悔の上で貫くことを決め、M-11タイト ルにもなった「ILP」(アイラブポップミュージック)に込められた信念だ。ニューアルバム『愛する』は、結成10周年という節目に相応しいSUPER BEAVERの確固たる意志そのものである。