Platinum Collection

1950 年代のナンバー1 女性シンガーがアトランティック・レコードに残したヒット曲をセレクト。R&B からR&R へと移り変わる時代を色濃く反映した全21 曲。アトランティック・レコードが最初に生んだスターであるルース・ブラウンは,1950 年代のR&B 界を代表する女性シンガー。“ミス・リズム”の異名をとった「Teardrops from My Eyes」（50 年）「5-10-15 Hours」（52 年）「(Mama) He Treats You Daughter Mean」（53 年）といったダンス・ナンバーやバラードの「Oh What A Dream」（54 年）,全米を賑わせたマンボ・ブームに乗った「Mambo Baby」（54 年）と5 曲ものR&B ナンバー1 ヒットを放っている。当時彼女はエラ・フィッツジェラルド、ダイナ・ワシントンに続く“黒人歌謡の女王”のポジションを獲得しており,その音楽性は当時の黒人音楽のメインストリームといっていい。また50 年代半ばにR&R が大流行すると,彼女は柔軟にそれに対応。「Lucky Lips」（57 年）はポップ・チャートにも登場し,その数年後にクリフ・リチャードがカバーしたバージョンで日本でも親しまれた。「The Platinum Collection」は彼女が50 年代に放ったR&BTOP10 ヒットをすべて収録したお得なベストで,中でもドリフターズから独立したクライド・マクファターとのデュエット「Love Has Joined Us Together」の収録は,なかなか他では聴けない音源で貴重。R&B の隆盛からR&R ブームまでの激動の時代を生き抜き,その後は舞台やTV の世界でも成功を収めた才能溢れるエンターテイナーの、全盛期の姿を捉えた好コンピレーションである。