『シンフォニー・ディ・ヴィオール』
〜ルネッサンスから初期バロック時代イタリア・ヴィオール合奏作品集〜
ザ・シリウス・ヴィオールズ
ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の名手、ヒレ・パールが、友人や弟子などと結成したヴィオール合奏のためのアンサンブル「シリウス・ヴィオールズ(ザ・シリアス・ヴァイオルズ)」。ヴィオールといえばフランスのマレやサント・コロンブの音楽などが有名ですが、このイタリアの合奏作品集では、ひと味違った美しさを味わうことができます。
弦をあまり強く張らず、繊細で滋味溢れる優雅な音色を持ち味とするヴィオールは、大きな音量を出しにくいことから、室内作品向けとされ、大きめの編成の作品はあまりたくさんは書かれなかったとされているだけに、ヴィオール合奏作品の登場は注目されるところです。
【ヴィオール】
イタリア語ではヴィオラ・ダ・ガンバ。バロック期を代表する楽器の一つ、ヴィオールは、その繊細で柔らかい優雅な響きからフランスで特に人気があったようで、通奏低音などにも数多く使用されています。しかし、その他の国でも注目度は高く、たとえばバッハは、有名なガンバ・ソナタや、ブランデンブルク協奏曲第6番のほか、カンタータにも多く使用しており、また、作曲家兼ガンバ奏者で後半生を英国で過ごしたカール・フリードリヒ・アーベルも多数の作品を残しているほか、当時、最も人気のあったテレマンもガンバを用いた作品を数多く書いていました。
【イタリアのヴィオール音楽】
今回登場するアルバムには、ルネッサンスから初期バロック期にかけてイタリアの作曲家が書いた作品が収録されています。ヴァイオリン属の台頭が最も早かったイタリアですが、ここでは、それ以前の時代の、ヴィオール属による典雅で美しい音楽を楽しむことができます。(HMV)
【収録情報】
・ロレンツォ・アレグリ:『Primo ballo della notte d'amore』
・ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:『Canzona Franzesa a 4 per concerto de viole ad arco』
・ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:『Gagliarda cromatica a cinque detta la Trabacina a 5』
・ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:『Canzona Franzesa cromatica』
・ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:『Canzona Franzesa a 4』
・マルコ・アントニオ・フェッロ:『SonataVI』
・マルコ・アントニオ・フェッロ:『Sonata IX a 4 viole』
・マルコ・アントニオ・フェッロ:『Sonata X a 4 viole』
・ケルビーノ・ワエシック:『Canzona ottava & terza』
・ジョヴァンニ・アントニオ・テルツィ:『Liquide perle amor: Lautendiminution uber Luca Marenzio: Madrigal』
・ジョヴァンニ・バッサーノ:『Liquide perle amor: Diminution uber Luca Marenzio: Madrigal』
・ビアージョ・マリーニ:『Passacalio』
・ビアージョ・マリーニ:『Canzon terza a quattro tromboni o viole』
・アレッサンドロ・ピッチニーニ:『Toccata a dui liuti』
・グレゴリオ・ストロッツィ:『Euphonia, capricci da sonare』
・グレゴリオ・ストロッツィ:『Gagliarda III e per concerto di viole』
・グレゴリオ・ストロッツィ:『Passa y Calla (Toccata de Passacagli)』
・ジョヴァンニ・レグレンツィ:『Sonata sesta a 4 viole da gamba o come piace』
シリウス・ヴィオールズ
録音時期:2012年9月
録音場所:ドイツ、ゼングヴァルデン福音教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)