音楽を感じろ デジタル時代に殺されていく音楽を救うニール・ヤングの闘い。

Neil Young (ニール・ヤング)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309922058
ISBN 10 : 4309922058
フォーマット
発行年月
2020年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
309p;22

内容詳細

S・ジョブズに無碍にあしらわれ、自ら高音質プレイヤーを開発したのはなぜか。先達の音楽作品を未来に継承するために、今、ニール・ヤングが守ろうとする音楽のあり方とは。


ニール・ヤングの、音そのものへの限りない愛。それに圧倒される。
──曽我部恵一(サニーデイ・サービス)(巻末「解題」も)

スティーヴ・ジョブズ(アップル)、イーロン・マスク(テスラ)らに無碍に扱われながらも、自ら高音質プレイヤーを開発し、さらにサイトで画期的なハイレゾ配信を始めたのはなぜか。先達の音楽作品を未来に継承するため、二ール・ヤングが守ろうとする音楽のあり方とそれに関わる闘いの記録!

巻末に、サニーデイ・サービスの曽我部恵一による解題原稿収録!

「本書には、わたしが少人数のチームとともに実現可能な解決策の見本ともいえる技術を開発し、市場に出すまでが記録されている。ハイレゾ音源ダウンロードサービスと専用プレイヤーPONO≠ヘわたしの最初の労作だ。わたしは仲間たちとともに、最高の音質の音楽を手頃な価格で多くの音楽愛好家に届けることは可能なのだと、業界に証明してみせた。とはいえ、われわれの努力はそこで終わったわけではない。はじまったばかりだった」(二ール・ヤング「はじめに」より)
*『To Feel the Music: A Songwriter's Mission to Save High-Quality Audio』by Neil Young&Phil Baker(BenBella Books/2019年9月刊)の日本語版である。

■概要 
 ニール・ヤングは、あるきっかけを機に音楽を高音質でどんな人にでも広く聴いてほしいと考え、PONOミュージックという会社を設立して高音質(ハイレゾ)プレイヤー=PONOを開発、最終的に発売にこぎつけるのだが、そこに至るには茨の道の連続であった。そして、あるビジネス的な事情でPONOを継続できなくなり、この経験を生かす中で、自らのHP〈NEILYOUNG ARCHIVES〉を開設、適正価格の高音質配信という「未来」を発見する……。

 本書は──二人の異なった視点から上記が語られていく。
一つは、なぜハイレゾ音源を残すことが必要なのか、なぜ高音質プレイヤーPONOを自分で作るしかなかったのか──に関して、もともとの発案者としてミュージシャンの立場からデジタルの音、アナログの音、その普及のさせ方への疑問や提案を綴ったニール・ヤングが書いた部分。
もう一つは、ニールに依頼され、PONOの開発責任者としてさまざまな障害にあいながらも具現化・製品化していき、製品として完成させたものの最終的には失敗に終わってしまった過程、そしてそこから今までにないアーカイヴサイトを開設してハイレゾ配信を行なうまで──を、まるで「プロジェクトX」のように伴走者として綴っていくフィル・ベイカーの綴るパート。こちらも、生々しいアメリカビジネスの一端と、伴走者として見たニールの情熱にあふれた姿を浮き彫りにしていて、ファンには伝わっていなかった苦労や挫折の数々を垣間見ることができる。
 ニールのミュージシャンとしての音質に関する考察・警鐘の部分と、フィルの描く、ものすごく現実的かつ人間臭いビジネスにからんださまざまなエピソードが、互いに交錯つつ、一つのドラマのように流れていく。
 現在、ニールの運営するNYA(neilyoungarchives.com)は会員制だが、リスナー側の物理的な環境(PCなのかスマホなのか、あるいはタブレットか、など)を自動的に配信側が判別し、それに適した高品質の音質で配信している。また、それと連動した(本書にも登場する)Oras tream.comでは、ニールの主張通り、ハイレゾもCDレベルの音質も、すべて同じ価格で販売している。
 これは、「音質論」の話ではなく、今、そして今後を踏まえた、現役ミュージシャンによる「音楽の聴かれ方」を問いかける書である。

著者
ニール・ヤング (ヤング,N)
1945年生まれ。1960年代の終わり、バッファロー・スプリングフィールドの一員としてメジャー・デビューの後、ソロとして常に最前線で新作を意欲的に発表し続けているロック界の巨人。

フィル・ベイカー (ベイカー,フィル)
ポラロイド、アップル、セイコー、バーンズ&ノーブル他で製品開発に携わってきたエンジニア。高音質再生機PONOプレイヤー開発においては牽引者としての役割を担い、ニールと共に奔走した。

鈴木 美朋 (スズキ ミホウ)
英米文学翻訳者。早稲田大学第一文学部卒。訳書に『ブラック&ホワイト』『彼女のかけら』『血のペナルティ』『ハンティング』『ゲティ家の身代金』『運命の影を逃れて』など。

【著者紹介】
鈴木美朋 : 英米文学翻訳者。早稲田大学第一文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • vonnel_g さん

    巷に溢れる音楽メディアの音質の低下を嘆くニール・ヤングが挑戦したハイレゾ音源供給のためのソフト・ハード作りとその悪戦苦闘。ようやく時代が追いついてきて高音質のストリーミングサービスなども登場してきたけれど、10年ほど前は高音質の音源をネットで売買するというのは夢のまた夢だったのだ。同じ音源を何度も買わせるなんて、とレコード会社に憤るあたりに真摯で誠実な人柄が伺える。キックスターターでものを作るには、余程の準備がなければとてつもなく難しいことも分かった。

  • COLD SWEAT さん

    ponoに熱心だったことは知っていたが、その開発裏話。音質にこだわる情熱も物語だ。読み物としても面白かった。

  • U さん

    音源より最終出力が大事な気はする。安イヤホンで本人は聴き分けられるもんなのか?

  • しろ さん

    ニールはミュージシャンが苦労して作った音をできるだけそのまま、ありのまま、良い音質で伝えたい。彼の願いはとてもシンプルなものなのに、それを叶えることのなんと難しいことか!純粋な夢を形にしようと、自ら動き熱を注ぐことのできるニールヤングという人間に改めて感服する思い。これだけの名声を得ても、年をとっても、過去の遺産にしがみつくことなくよりよい未来に向けてフォーマットを作ろうとすること。本当にすごい人だなと。

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Neil Young

はじめてニール・ヤングの歌声を聴いたときは、軽いショックを受けた。なぜならその声を聴く以前に、雑誌だかLPのジャケットだかで、彼のゴツい風貌を目にしていたからだ。その体躯に似合わぬ繊細な高音ヴォーカル、と当初は思ったわけだが、今ではあの顔にしてこの声、というのが分かち難く結びついてしまって、当初どのような声を想像していたのか思い出せないほどになっている。

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