戦争と人間 ブルーレイ・ボックス

昭和三年。新興財閥伍代家のサロンでは、当主伍代由介の長男英介の渡米歓送会が開かれていた。その場には由介の実弟喬介、
由介の長女由紀子、次男俊介、伍代家の女中頭で由介の妾であるお滝、部下の矢次など一族身内の者のほかに、金融家市来善兵
衛、陸軍参謀本部の佐川少佐、その部下の柘植進太郎中尉など常連客が招かれていた。話題は期せずして、張作霖打倒のため蒋
介石が北伐をはじめた満州の状勢に集まった。
やがて関東軍は張作霖を爆殺し、柳条溝事件によって満州事変が勃発する。時代が戦乱の嵐へと向かう中、様々な人々が運命に
翻弄され、時代の渦に呑み込まれていく…。(第一部)
戦乱の機運がいよいよ加速度を増す中、関東軍によって建設された満州国で、伍代財閥は大規模なアヘンの密売に手を染めてい
く。大陸内では抗日パルチザンの戦いが執拗に続けられ、日本国内では軍部の権力が日に日に増していった。そんな中、伍代家
の次男・俊介は人妻・温子との狂おしい恋に身を焦がす。次女・順子の愛する耕平は左翼運動家として反戦活動に身を投じてい
くのだった…。
昭和七年の満州事変から一二年蘆溝橋事件までを背景に、全面的戦火の時代に突入してゆこうという動乱期、愛と正義を至上の
ものとして生きようとする温子の悲劇的な恋愛を中心にさまざまな人間模様が、戦乱の歴史の渦に呑み込まれていく。(第二部)
昭和十二年、日中全面戦争は火蓋を切った。同十二月、南京陥落、そして、日本軍による大量虐殺。東京。伍代家では長女・由
紀子の結婚披露宴が進められていた。由紀子は、青年将校柘植への情熱を胸に秘めながら、父・由介が決めた東亜銀行頭取・雨
宮の令息との政略結婚に身を沈めた。一方、次女・順子は、兄・俊介の友人で、反戦運動に激しい闘志を燃やす標耕平と秘かに
結婚式を挙げるため、伍代家をあとにした。彼は順子との束の間の愛をかみしめながら入隊、大陸の戦線へと送り出されていく
。
昭和十四年五月、満州とモンゴルの国境で日本軍とソ連軍とが激突。世に言うノモンハン事件が勃発した。果てしない動乱の歴
史に翻弄される人々の運命は?(第三部)



1970〜73年に制作された日活の大作映画『戦争と人間』3篇セット。満州を舞台に新興財閥一家が野望や愛に翻弄されながら壮絶な人間ドラマを繰り広げる。出演は滝沢修、芦田伸介、浅丘ルリ子ら。(CDジャーナル　データベースより)