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メンバーの一人、DJのMushroomが脱退し残された3D(Robert del Naja)、Daddy G(Grant Marshall)の2人体制になって初めてのアルバムとなる今作は、長きの間制作された100曲以上あるストックの中から厳選された珠玉の楽曲ばかりだそうだ。ゲストにはSinead O'Connor、そして御馴染みのHorace Andyがヴォーカルで参加。サウンドは、5年というブランクがあったとは思えないほどいい意味でも悪い意味でも、Massive Attackらしい音。これぞ、「ブリストル・サウンド」という訳だ。変化を求めぬファンにとっては、満足いく内容であろうが、ネクスト・レベルに到達したかといえば嘘になるだろう。猛烈なブリストル・ブームの頃の彼らは、もしかしたら本人達の意図しないまま時代の先端に、トップに押し出されてしまったのかもしれない。時が経ち、まわりで埃を撒き散らしていた人々が立ち去り、空気が澄んできた今、素直に出てきたサウンドがこれだったということか。
「100th Window」という意味は、「我々は、第三者が侵入出来得る全ての窓(Windows)を閉ざすことは出来ない」というコンピューターソフトを例にとった原理に由来する。
インターネット、クレジットカード等に関して、自分のプライバシーを保つためにいかに多くの手段を用いても、決して閉めることのできない「100番目の窓」が存在するのである...。コンピューター社会への警鐘から「自分ひとりだけでは完結するこが出来ない」人間社会の摂理までをイメージさせるタイトルであり、『The Hundredth Window 〜インターネット時代にあなたのプライバシーと安全を守る〜』(Charles Jennings, Lori Fena, Esther Dyson共著)という同タイトルの書籍も存在している。
アートワークは80年代のヨウジ・ヤマモトとの仕事で有名な写真家Nick Knightが担当。