女王陛下の仮面舞踏会〜昔日の英国王室におけるリュート音楽　エリーザ・ラ・マルカ

ルネサンス期の英国が愛した楽器リュート。想像上の舞踏会へと誘う厳選選曲

文豪シェイクスピアの詩作や戯曲を筆頭に、さまざまな文化領域で大きな発展が見られたルネサンス期の英国。そこでイングランド女王エリザベス1世の宮廷を彩ったであろう名匠たちのリュート作品を集め、想像上の舞踏会プログラムを組み上げたのは、イタリアの古楽器演奏シーン最前線で活躍する俊才エリーザ・ラ・マルカ。気鋭集団ミラノ・リュート・カルテットの一員で、通奏低音奏者としてもマリオ・ブルネロ（チェロ）、ヤクブ・オルリンスキ（カウンターテナー）ら一流プレイヤーたちと共演している彼女は、ほどよく温もりを感じさせる佇まいで名品それぞれの魅力をたおやかに引き出してゆきます。
　宮廷舞踏のリズムで奏でられるさまざまな舞曲群には、エリザベス朝期最大のリュート音楽家ダウランドやホルボーン、バチェラーらの有名作品も含まれていますが、近年の研究で正体が明らかになりつつある謎の「リュートの騎士」や英国紳士たちに刺激を与えたフランス宮廷やイタリアの音楽家たちの作品など、当時の英国王室周辺に花開いていた音楽世界の豊かさを示す選曲の広がりも本盤の魅力のひとつと言えるでしょう。（輸入元情報）

【収録情報】
01. ジョン・ダウランド[1563-1626]：ジョン・スミス卿のアルメイン
02. ダウランド：ファンシー
03. アルフォンソ・フェラボスコ1世[1543-1588]：パヴァーン第6番
04. ダウランド：クリフトン夫人の霊
05. 作者不詳：ヴォルト第1番
06. 作者不詳：ヴォルト第2番
07. ダウランド：いと高貴で偉大なるデンマーク王クリスティアン4世のガリアード
08. ダウランド：はかない望み
09. ダウランド：エセックス伯ロバートのガリアード
10. ダウランド：エリザベス女王のガリアード
11. ローマのラウレンチーニ[?-1608]：ファンタジア第4番
12. ダウランド：リッチ夫人のガリアード
13. ダウランド：ファンタジア第7番
14. トーマス・モーリー[1557-1602]：パヴァーン第3番
15. 作者不詳：女王の仮面舞踏 第1番
16. 作者不詳：女王の仮面舞踏 第2番
17. 作者不詳：女王の仮面舞踏 第3番
18. 作者不詳：コラント第6番
19. リュートの騎士（生歿年不詳、16世紀末に活躍）：ファンタジア第2番
20. ダウランド：ダンビー伯フェルディナンドのガリアード
21. ロベール・バラ―ル[c.1575-c.1650]：バラール氏のコラント
22. ジュリアン・ペリション[1566-c.1600]：ジョン・ペリションのコラント
23. 作者不詳：コラント第3番
24. アンソニー・ホルボーン[1545-1602]：パヴァーン第2番
25. ダニエル・バチェラー[1572-1619]：ムッシューのアルメイン

　エリーザ・ラ・マルカ（ルネサンスリュート）

　使用楽器：クレモナのフアン・カルロス・ソト、1997年製作の再現楽器。8コース
　ヴェネツィアのジョヴァンニ・イエベル（ヒーバー）1580年頃製作とされるモデルに基づく

　録音時期：2022年7月10-15日
　録音場所：イタリア北部ロンバルディア州レッコ県ノチェーノ、サン・グレゴリオ・マーニョ教会
　録音方式：ステレオ（デジタル）