Dusty Road

卓越した演奏力を誇るクラシック音楽家たちが、クレズマー、タンゴ、ジプシー・スウィングを華麗に演奏する！

クレズマーをはじめ、ジプシー・スウィングやタンゴといったワールド・ミュージックで人気のジャンルを、クラシック音楽家４名が高い演奏力で聴かせるという注目作が、ＵＫのワールド・ミュージック・シーンを代表する人気レーベル“World Music Network”のサブ・レーベル“Riverboat”から登場することになりました。

イタリア中部ラクイラ出身で、ピアノ／アコーディオン／ヴァイオリンを担当する女性音楽家コンチェッティーナ・デル・ヴェッキオをはじめ、クラリネット奏者のトマス・ヴェリティ、ダブル・ベイス担当のマーセル・ベッカー、そしてギター／ヴァイオリン／ヴォーカルを担当するロブ・シェプリの４人の音楽家によって結成されたのが、このクラズマリッシュ。「クラズマー風の」という意味のグループ名を持つ彼らですが、実は４人ともイギリス国内で誉れ高いオーケストラ「ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団」に所属しており、バリバリのクラシック音楽家として普段は活動しています。

そんな彼らが大所帯のオーケストラを飛び出し、まるで世界を自由旅行するかのように様々な音楽ジャンルに真正面から取り組んだのがこのアルバムです。故郷を離れて全く別の人生を歩んできた移民たちの音楽を探究してきた彼らの集大成とも言える内容で、オーケストラの厳格なヒエラルキーの束縛から解放され、お互い対等な関係で活き活きとしたサウンドをここで披露してくれます。またグループ名こそクレズマリッシュですが、もちろん東欧ユダヤ人の音楽であるクレズマーだけに固執している訳ではなく、例えばタンゴの名歌手カルロス・ガルデールが自身の主演映画『想いの届く日』の劇中歌として作曲した「ボルベール（帰郷）」や、タンゴの革命家アストール・ピアソーラの代表曲「キチョ」などを取り上げて彼ら流にアレンジしたり、イスラエル人音楽家シェム＝トーヴ・レヴィのナンバーや、ジャズ・スタンダードの「アイム・コンフェッシン」、さらにはジプシー・スウィング風のオリジナル曲なども取り入れるなど、実に多種多彩なサウンドを柔軟な姿勢で披露してくれます。

もちろん厳しいトレーニングを積んできた彼らだけに、その演奏力は素晴らしいの一言。ラフな演奏の多いワールド・ミュージックの中で、ここまで完成度の高い演奏を聴かせる作品はそうありません。そして仄かに感じさせるクラシカルなテイストは、ワールド・ミュージックの新機軸とも言えるかもしれません。

●日本語解説／帯付き


（メーカーインフォメーションより）