ギターと歌のみで、息づかいやギターのキュッとなる音がすごく伝わってきます。６曲目のFarolitoは最高！うっとりします。

先日やむを得ず嫌いなヘッドフォンをつけて聞く羽目になりましたが･･･、 怪我の功名。もう、ノックダウンす。

静かに力を奪われていくような「ﾎﾝﾓﾉ｣のﾔﾊﾞさを感じました。ﾎﾞｻﾉｳﾞｧを知るならまずはｺﾚだと言い切っても100％ｵｯｹｰだと思いﾏｽ。

ボサノヴァの神様Joao Gilbertoの名に相応しい作品です。ジョアンの声とギターのもたらすものは、サンバの延長でありながらもまさにSaudadeな音です。

「彼女はカリオカ」のドイツ盤でジャケットが違ってアストラッドジルベルトとのツーショット写真。ボサの唯一人のオリジネイター、ジョアンだから内容は最高。

Caetanoのアルバム中の曲で「Nanaがこれを歌い、Elbaがこれを歌い、Gilbertoはこれ、Djavanはこれ、Bethaniaがこれを歌い･･･」と紹介するような曲があって、その最後に、「これに優るものと言ったら静寂しかない、そして静寂よりもすばらしいのはJoao」と締めくくっている、まさにその通り。Caetanoの形容に脱帽です！

前作のライブ盤で、老いを危惧したが、無事に演奏しており一安心（ 一部、衰えを感じる箇所もあります）。ボサノヴァ創造者の威厳を保ってます。ただ古くからのボサノヴァ好きには、やや物足りない内容。 若いリスナーの方は、このアルバムをきっかけに、もっと多くのボサノヴァも聴いてください。素晴らしい作品が眠ってますよ。

古いサンバ・カンソンを中心にした選曲もジョアンが演奏すると、完全なボサノヴァに仕上がりました。 伴奏はオーケストラですが、古き良きブラジルをイメージし、雰囲気たっぷり。こんなアルバムは、もうブラジルでは作れないでしょう。 私は、この頃（１９８５〜９０年）のジョアンが一番好きです。

異色作品！ヴィオランのチューニングを半音下げ、究極の引きこもり系。現在ジョアンを鑑賞する上でも実に興味深い。

この一枚と出会って僕はギターを始めました。それだけの感動と衝撃があります！静寂、沈黙をも凌駕するジョアンの声とギター、最高です！じいさんになっても（笑）ジョアンの様にギター、音楽を愛していたい！